FF10-P.L.SCENARIO_01

気が付くと見知らぬ世界
-My tale began from this world.

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

最後かもしれないだろ?

 

だから ぜんぶ話しておきたいんだ

 

 

FINAL FANTASY X

 

 

<大回想>

 

<ザナルカンド>

【子供A】
「サインして サイン!

【ティーダ】
「はいよっ!

 

<ティーダの名前入力画面>

 

【子供B】
「ちょーだい!

ティーダ
「いいッスよ〜

【子供C】
「ボクも!

ティーダ
「あせんなって

<ティーダ、サインをする>

 

【女性A】
「サイン おねがいしていいですか?

ティーダ
「もちろん!

【女性B】
「試合 がんばってね!

ティーダ
「まかせとけって

<ティーダ、同じくサインする>

ティーダ
「じゃあさ 今夜シュート決めたら……
「あ〜…… こうすっから!
「それ ふたりへのメッセージっつーことで!

<女性たち、はしゃぐ>

ティーダ
「席どこ?

【女性A】
「東ブロックです 最前列!

【女性B】
「あたし右から5番目ね

ティーダ
「了解ッス

 

【女性C】
「えっと……去年のデビューから  あの……お 応援してます……

ティーダ
「これからもヨロシクな

【女性C】
「は はいっ!

 

ティーダ
「んじゃ そろそろ行くわ 応援よろしくな!

【子供A】
「せえの!

【子供たち】
「ブリッツボールおしえて!

ティーダ
「これから試合だって

【子供C】
「じゃ おわってから!

ティーダ
「今夜は……え〜っと……

【謎の少年】
「今夜はダメだよ

<ティーダ、少し後ろを振り返って…>

ティーダ
「だろ? 明日明日!

【子供B】
「ぜったいだよ〜?

ティーダ
「約束ッス!

<ティーダ、行く>

 

<フリーウェイ>

<ティーダ、ビルのジェクトの看板を見上げて、不機嫌そうにする>

 

【アナウンサー】
「俺がそのニュースを聞いたのは、3回目の家出をしている時だった
みんなのヒーロー・ジェクトが練習中に行方不明
捜索打ち切り……
俺の親父はジェクトの熱狂的なファンでさ〜
親父驚いてるだろうなぁ〜
ショックだろうなぁ〜
そう考えたら、なんだか泣けてきた……
俺、慌てて家に帰ったな〜
で、一晩中ジェクトのことを話し合ったんだ
あんなに親父と話したのは久しぶりだった……
おいおいおい回想シーン入っちまったぁ
はぁ……
さて、あれから10年!
今年から始まったジェクト記念トーナメント!
そのきつ〜い潰し合いから勝ち残ったのは、そう、東A地区のエイブスと、南A地区のダグルス!
注目はもちろん、エイブスのエースのあいつ!
去年のルーキーが今年はいきなりエースだ!
あのジェクトの血を受け継いだ新しい星!
今日はどんな動きを見せてくれるのか!
今日こそ、あの幻のシュートが炸裂するのか!
期待するなってのが、無理だよなぁ〜!

 

 

【住民A】
「あんたがいないと始まらないんだ 急いで急いで!

 

【住民B】
「早くしないと 試合 始まっちゃうよ

 

【住民C】
「負けたらパンチだぞ! ぜったい勝てよな!

 

【住民D】
「オヤジを越えてみせてくれよ

 

【住民E】
「いよっ! 2代目ジェクト!

 

【住民F】
「なんだかゾクゾクするのよ…… 風邪ひいちゃったのかなあ

 

【住民G】
「相手は荒っぽいよ 気をつけてな!

 

【住民H】
「は〜い エース君! 今夜は好きなだけ あばれていいわ!

 

【住民I】
「がんばってね ティーダ!

 

【住民J】
「あんなヤツらジェクトシュートでやっつけてよ!

 

【住民I】
「ティーダのパパって すごかったんでしょ  うちのパパと とっかえてよ

 

【住民K】
「おかしいな 気分が悪くなってきた  エレベーターで降りる時みたいな……

 

【住民L】
「ザナルカンド中が注目してるんだ  ぬるい試合したら 笑い者だぜ

 

【住民M】
「今年の得点王はキミで決まりかな

 

【住民N】
「キミがザナルカンド・エイブスを支えてるんだから しっかりね!

 

<ブリッツスタジアム入り口前>

<ティーダ、ファンに囲まれる>

ティーダ
「通して通して!
「はいはい ごめんね〜
「遅れちゃうっつーの!
「ひっぱんなって!

 

<ティーダ、ブリッツスタジアムへ>

<ブリッツ試合開始。→ティーダ、シュートを決めようとすると…>

【ティーダ】
「えっ……?

<突然、大きな“水の塊”が出現。→その塊から火の玉が飛び出してきて、街を破壊する。→大きな水で、街を飲み込む…>

【ティーダ】
「ううっ……! くっ……!
「ぐわぁぁぁぁぁぁっ!

<ティーダ、吹き飛ばされる>

【ティーダ】
「ハアハア……。

<ティーダ、脱出しようとすると、一人の男を見つける>

ティーダ
「アーロン!
「なにボサっとしてんだよ!

アーロン
「おまえを待っていた

ティーダ
「また ワケわかんないことを……

<ティーダ、アーロンのあとを追う>

 

<フリーウェイ>

<観客や住民が逃げ狂う中、一人の“謎の少年”がティーダを見据える>

【謎の少年】
「はじまるよ

【ティーダ】
「あん……?

<ティーダ、人々の動きが止まっていることに気付く>

【謎の少年】
「泣かないで

【ティーダ】
「……?

<すると、その“謎の少年”は消えて、再び人々が動き出す>

【ティーダ】
「あっ……!

<ティーダ、あたりを見まわす>

ティーダ
「……なんだ?
「待てよ!

<ティーダ、アーロンを追いかける>

ティーダ
「なあ こっちヤバいって!

アーロン
「見ろ

【ティーダ】
「ああっ…

<そこには、大きなモンスターが迫っていた>

アーロン
「俺たちは『シン』と呼んでいた

ティーダ
「『シン』……?

<すると、“鰭”のようなものが出てきて、コケラを飛ばす。→ティーダたちを襲う>

【ティーダ】
「くう……! ッ!
「うわっ……!

<ティーダ、尻餅をつく>

アーロン
「使え

<アーロン、ティーダに大きな剣をわたす>

【ティーダ】
「わわっ!

アーロン
「ジェクトのみやげだ

ティーダ
「オヤジの!?
「ぐっ!

アーロン
「使い方は実戦でな

<戦闘:コケラくずA&B&C>

アーロン
「ザコにかまう時間はない 突破するぞ

<そのうち、二体を撃破。→すると、またコケラくずがやってくる>

<そのまま戦闘:コケラくずA&B&C&D&E>

アーロン
「すべて倒そうとは思うな 邪魔な奴だけ斬り捨てて走れ!

<コケラくずA&Bを撃破>

<戦闘終了>

 

<さらに、奥へ>

<戦闘:シンのコケラ:エムズ&コケラくずA&B&C&D&E>

ティーダ
「好き勝手あばれやがって!

アーロン
「まとめて かたづけてやろう

<シンのコケラ:エムズ&コケラくずA&B&C&D&Eを撃破>

<戦闘終了>

 

ティーダ
「笑ってんじゃねえよ くそオヤジ
「アーロン! 逃げたほうがいいって!

アーロン
「迎えが来ている

ティーダ
「はあ?

<アーロン、構わず走り出す>

ティーダ
「つきあってらんねえっての!

<ティーダ、仕方なしに付いて行く>

<だが、コケラくずが行く手をさえぎる>

<戦闘:コケラくずA&B&C&D&E>

アーロン
「ふん 手に負えんな
「おい あいつを落すぞ

ティーダ
「なんで!

アーロン
「面白いものを見せてやる

<ティーダ、アーロン、タンクローリーを攻撃して、落とす。→ビルに激突して大爆発。→ビルの瓦礫がフリーウェイに倒れ込んで、コケラくずを押しつぶす>

【ティーダ】
「ああっ……あー!

アーロン
「行け!

<ティーダ、アーロン、爆発するビルの上を駆け抜ける>

【ティーダ】
「でやっ!

<ティーダ、飛び出して、ビルの屋上につかまる>

【ティーダ】
「くうっ……!

<アーロン、それを見下す>

ティーダ
「アーロン!
「アーロン!!

<街全体が徐々に飲み込まれていく…>

アーロン
「いいんだな?
「覚悟を決めろ

<アーロン、ティーダの襟を掴んで持ち上げる>

【ティーダ】
「ぐっぐっ……!

アーロン
「ほかの誰でもない
「これは おまえの物語だ

<ティーダとアーロン、飲み込まれる…>

 

<そして…>

<謎の空間>

【ジェクト】
「おい!
「おい!

ティーダ
「オヤジ……?

<ティーダ、“謎の少年”と出会う>

 

いろいろ考えてたのは

おぼえてる

 

オレ どうなるんだ とか

ここ どこだよ とか……

 

そのうち 頭がボーッとしてきてさ

なんだか眠くなって……

 

夢を見た気がする

 

ひとりぼっちになる夢

 

誰でもいいから そばにいてほしい……

 

そんな気にさせる夢……だった

 

<海の遺跡>

【ティーダ】
「うっ…… あう……

<ティーダ、起き上がる>

ティーダ
「誰かいる〜?
「アーロン!!
「わーーーーーーーっ!!

 

<ティーダ、とりあえず奥へ進む>

 

【ティーダ】
「なにか文字が書いてある

いかずちがたえまなく
ふりそそぐばしょにて

マカラーニャをせに
よっつめのとうの

みぎがわをみよ

ティーダ
「なんですかねぇ 意味がわかりませんねぇ

 

<沈んだ広間>

【ティーダ】
「うわっ!

<足場が崩れ、ティーダ、下の海に落ちる>

<戦闘:サハギンA&B&C>

<サハギンA&Bを撃破すると、突然モンスターが現れて、サハギンCを呑み込む>

<そのまま戦闘:ジオスゲイノ>

<ジオスゲイノを追いつめる>

ティーダ
「まずいッス!

<ティーダ、逃げる。→からくも脱出>

<戦闘終了>

 

事態はどんどん悪くなっていく

夢も希望もありません

 

そんな気にさせる場所だと思った

 

<広間>

ティーダ
「さむいッス……
「火…… 火 どこだよ……

 

【ティーダ】
「たき火の跡だ
「火をつけるには【火種】として燃えやすい物が必要だ

<ティーダ、『着火器具』と『枯れた花束』を手に入れる>

 

<ティーダ、たき火の跡に火を起こす>

ティーダ
「ハラへったぁ……

 

<回想>

ティーダ
「今日は なに?

アーロン
「つまらないミスだったな
「あきらかに おまえのせいで負けた

ティーダ
「そんなこと言いに来たのかよ!

アーロン
「今日は……命日だ

ティーダ
「ああ……

アーロン
「ひとりで泣いているかとな

ティーダ
「泣くかよ!

【謎の少年】
「泣いてたよ

<回想終了>

 

<ティーダ、うとうと眠りにつこうとすると、たき火の火が消えかけていることに気付く>

ティーダ
「っ? お おいっ
「な なんだよ!? 消えちゃう気か!?
「あっ ちょっと待ってくれ なんか探してくっから!

<するとティーダ、後ろのモンスターに気付く>

<戦闘:クリック>

【ティーダ】
「勘弁してくれよ〜

<クリックを追いつめる。→すると、出入り口の扉が爆破され、マスクをかぶった5人の人間たちが来る。→そのうちの一人が戦闘に加わる>

ティーダ
「味方!? 助かるッス!

<クリックを撃破>

<戦闘終了>

<一人(女性)がマスクを取る>

ティーダ
「あ〜 助かった〜!

<すると、他のマスクを被った人間たちが、ティーダを取り囲む>

ティーダ
「なにすんだよ!

【マスク男A】
こいつ なにものだ?

【マスク男B】
マモノ だ! にんげんに ばけて るんだ

【マスク男C】
そうだ! そうに きまってる!

【マスク男D】
やっち まうか!?

【女性】
まって!
にんげん だったら?

【マスク男D】
その ときは しかた ない

【女性】
だめ だよ! ふねに つれて いこう
ごめん

<その女性がティーダの腹部を蹴ると、ティーダ、そのまま気絶する>

 

 

<サルベージ船・甲板>

ティーダ
「うっ……

<ティーダ、目覚める>

ティーダ
「いってぇ……

【マスク男A】
おとなしく してろ!

ティーダ
「いてえんだよ

【マスク男B】
うごくなよ いいな!

ティーダ
「ま まいった

【アニキ】
もちものを かくにんしろ

<アニキ、言語が通じていないとみて、ジェスチャーで指示する>

ティーダ
「ぜんぜんわかんねぇ

【アニキ】
わかんないのか……

ティーダ
「わかんねえっての!

【マスク男A】
きさま!

【女性】
まって!
「仕事を手伝えば 少しの間 世話したげるってさ

ティーダ
「おまえ 言葉わかるのか!?

<ティーダ、後ろから肘打ちをくらう>

ティーダ
「わかった 働くよ!

 

【女性】
「あっ! そうだ!

<スフィア盤説明>

 

【女性】
「海の底に昔の遺跡があるの
「今は動いてないけど たぶんまだエネルギーが残ってる
「もぐってってチョイチョイってやれば 遺跡が復活して……
「海底に沈んでるアレを 引きあげられると思うんだよね

ティーダ
「ふーん

【女性】
「じゃあ お仕事がんばろ〜!

ティーダ
「うーッス!

 

 

<海底神殿>

<戦闘:ピラニアA&B&C>

<ピラニアA&B&Cを撃破>

 

<ティーダ、神殿の装置をON。→帰還しようとすると、後ろからモンスターが襲いかかってくる>

<戦闘:トロス>

<トロスを撃破>

<戦闘終了>

 

 

【マスク男A】
ついに ヒクウテイ を はっけん したぞ!

【マスク男B】
きろくは ただしかった

【アニキ】
さーて どうやって ひきあげ ようか

<ティーダ、船の中へ入ろうとするが>

【マスク男A】
おまえは そとだ!

ティーダ
「なんだよ 手伝っただろ!

 

<そして…>

ティーダ
「はぁ…… ハラへったぁ……

<するとあの女性が食料を持ってくる>

ティーダ
「おおお! メシ!!

<ティーダ、慌てて食べ始める>

【女性】
「はいよっ

<ドリンクも渡され、飲み干す>

【ティーダ】
「はぁ……

【女性】
「あせって食べるからだよ

<食べ終わって、ティーダ、のびをする>

【ティーダ】
「んんん〜

【女性】
「なにさ〜?

ティーダ
「ふぅ……
「あなたの お名前は?

【リュック】
「リュックだよ

ティーダ
「おおっ! ホントに通じるよ〜!!
「ふほほほほっ!

【リュック】
「もうっ

ティーダ
「でも それなら最初からふつうに話してくれよな

リュック
「そんな余裕なかったんだよ
「みんなチイのこと魔物だ〜と思ってて……

ティーダ
「チイって?

リュック
「チイは キミって意味

ティーダ
「あんたたち 何者?

リュック
「アルベド族だよ 言葉でわかるでしょ
「ね キミ アルベドギライじゃないの?

ティーダ
「キライもなにも……知らない

リュック
「どっから来たの?

ティーダ
「ザナルカンドだよ
「オレ そこでブリッツの選手やっててさ  ザナルカンド・エイブスのエース!

リュック
「もしかして 頭を強く打つとか した?

ティーダ
「あんたたちに なぐられた

リュック
「じゃあ その前のこと おぼえてる?

 

ザナルカンドのこと

 

試合や生活のこと

 

ブリッツボールの試合のときに

『シン』が襲ってきたこと

 

そしてアーロンのせいで逃げおくれて

光につつまれて……

 

思いつくままに話したけど

そのうち不安になってきたんだ

 

ティーダ
「オレ……変なこと言ってんのか?

リュック
「『シン』に近づいたんだ……

【ティーダ】
「うん……

リュック
「だいじょうぶ! きっと すぐ治るよ
「『シン』に近づきすぎた人間は 頭がグルグルしちゃうんだって
「だからキミも ヘンなユメみたいの 見ただけじゃないかな

ティーダ
「オレ 病気ってこと?

リュック
「『シン』の毒気にやられたんだと思う

ティーダ
「なんで?

リュック
「だって……ザナルカンドなんて今もう ないんだもん
「1000年前に『シン』があばれて こわしちゃった
「だからブリッツボールなんて できないよ

ティーダ
「え?
「どういうことだよ 1000年前って
「オレ 『シン』がザナルカンドを襲うのを見たんだぞ
「あれが1000年前だってのか!? 信じらんないって そんなの!

 

リュック
「あのさ……

【ティーダ】
「ん……?

リュック
「ブリッツの選手なんでしょ?

【ティーダ】
「うん

リュック
「ルカへ行けば なんとかなるかもよ
「キミを知ってる人 いるかもしれないし……
「キミもなにか思い出すかもしれないもんね

ティーダ
「ルカ?

リュック
「よ〜し あたしに まっかせなさい! ルカに連れてってあげるよ!
「行きたくないの〜?

【ティーダ】
「あ いや

リュック
「じゃ みんなに話してくから ちょっと待っててね
「あ…… それから注意!
「ザナルカンドから来たなんて 人には言わない方がいいよ
「あそこはエボンの聖なる土地だから 怒る人いると思うんだ

【ティーダ】
「あん… ああ

【リュック】
「うん

<リュック、去る>

 

ザナルカンドは

エボンの聖なる土地……

 

なんのこってすか……

って感じだった

 

エボン? 『シン』の毒気?

ルカ?

 

どこか遠くへ来ただけだと思ってた

すぐに帰れると思ってた

 

ティーダ
「1000年の時を越えたってか?
「信じられるかっつうの!
「あぁ もう!

<ティーダ、壁を蹴り上げる。→すると、地響きが起こり始める。→水中から、“何か”が浮上>

 

【アルベト族A】
『シン』!
『シン』がくるぞ!

【アルベド族B】
ましたに いるぞ!

 

ティーダ
「ぬわっ!

<津波が押し寄せ、ティーダ、弾け飛ばされる…>

 

 

<そして……>

<ビサイド島・浜辺>

<ティーダ、水中で目覚める>

ティーダ
「リュック!

<ブリッツボールがティーダの頭に当たる>

ティーダ
「いっ!?
「ブリッツボール!?

【ゴツイ男】
「だ〜いじょ〜ぶか〜!

ティーダ
「ひとーーっ!!

<ティーダ、ブリッツボールにシュートを放ち、男たちの方へ返す>

【ゴツイ男】
「すっげぇ……
「フフ……

<ティーダ、浜辺へ>

ティーダ
「よっ! ども!

【ゴツイ男】
「おまえ…… さっきのワザ もう1回やってみ?

 

うれしかった

今度こそ助かったと思ったんだ

 

<ティーダ、シュートを放つ>

 

【男たち】
「すっげぇ……
「うひゃ〜
「おぉ……
「すごい……

【ゴツイ男】
「シロウトじゃないよな どこのチームだ?

ティーダ
「ザナルカンド・エイブス!

【男たち】
「ザナルカンド?
「なんだって?
「ザナルカンド・エイブス……

【ゴツイ男】
「……どっから来たって?

ティーダ
「あっ…… 悪い! 今のナシ!
「あ〜 オレさ 『シン』に近づきすぎて 頭が ぐるぐるなんだよな
「だから どこから来たとか ここが どこなのかとか……

【ゴツイ男】
「『シン』の毒気にやられたか……
「でも こうして生きてるんだ
「エボンのたまものだな
「トレーニング 続けてろ

<別の男たち、散らばる>

【ワッカ】
「オレはワッカ このビサイド・オーラカの選手兼コーチだ

【ティーダ】
「あっ…… うう……

<ティーダ、腹が鳴る>

ワッカ
「なあんだ ハラヘリか?
「おっし! 村行くぞ なんか食わしてやる

<ワッカ、先へ行く>

 

ボッツ
「今年の大会じゃ ワッカさんの足手まといにならないようにしないと
「あんた 毒気が抜けたら 練習につきあってくれよ
「毒気 早く抜けるといいな

<ティーダ、『ポーション』を1個もらう>

 

キッパ
「見てのとおり うちのチームはすこーしだけ未熟でさ
「合言葉は『せいいっぱい がんばろう』だ! それしか とりえがないんだけどね……
「あんたも これでせいいっぱい がんばってくれよ

<ティーダ、200ギルもらう>

 

ジャッシュ
「あのシュートすごかったな〜 オレもあんなの撃ってみたいよ
「ワッカさん 待ってるぞ 早く行ったほうがよくないか?
「村までの道のりは魔物が出るぞ 危なくなったら これを使いな

<ティーダ、『ポーション』を3個もらう>

 

ダット
「ボールが落ちてくると つい目をつぶっちゃうんだ
「あんたが おぼれずにすんだのは ブリッツの選手だから……だろうな
「一流の選手は ずっと息を止めてても ぜんぜん苦しくないんだろ
「オレたちも見習いたいよ
「浜から沖まで 息つぎナシで何往復できるか 競争したことがあるんだ
「オレたちゃ2往復が精一杯だけど ワッカさんは5往復しても余裕だぜ
「毒気に やられてるんだろ? 早いとこ休んだほうがいいって
「そうだ! これをあげるよ 毒気にも きくかもよ

<ティーダ、『ハイポーション』をもらう>

 

 

ワッカは いいやつだと思った

だから……聞いてみたくなったんだ

 

ティーダ
「あのさ ザナルカンドって 1000年前に……滅びたんだよな?
「今は 遺跡になってしまった……で いいんだよな?

ワッカ
「昔々スピラには でっかい街がたくさんあった 夜でもにぎやかな 機械じかけの大都市だ
「みんな機械の力によって おもしろおかしく遊んでたワケだ
「だけどな……見てみろ
「突然『シン』が現れて 機械の街を全部こわしちまった
「もちろん ザナルカンドもな
「それがだいたい1000年前…… そう おまえの言うとおりだ
「ま 『シン』は調子に乗っちまった人間への罰ってワケだな
「まったくよ……
「昔のやつらのせいで今のオレたちが 苦労するなんてハラが立つよなあ
「もちろん罪をつぐなうのは 今の人間の大切な役目だ
「そりゃ わかってるさ うん  でも 時々やりきれなくなってな……

 

リュックの言ったとおりだった

 

ワッカもリュックも ウソをつく

必要なんて ぜんぜんないんだ

 

ワッカ
「あははは! でもよ ザナルカンド・エイブスってのは笑えたぞ
「もしかしたら そんなチーム ホントにあったのかもしれないけどよ
「ま 楽して暮らしていた時代のチームなんて 弱っちいに決まってるけどな
「おまえが落ちこむことないだろ〜が

 

オレをはげましてくれる

ワッカの気持ち うれしかった

 

でも その時オレが考えていたのは……

 

始まりは『シン』だ

だからもう一度『シン』に会えば……

 

それができたら ザナルカンドへ

帰ることができるかもしれない

 

その時が来るまでは ここがどこかとか

いつの時代だとか 気にするのはやめよう

 

気にしないってのは難しかったけど

少しだけ楽になった

 

ほんの……少しだけ

 

<分岐点>

ワッカ
「おーい! こっちだ!

 

<沈んだ谷>

ティーダ
「なんかあんのか?

<ワッカ、ティーダを後ろから押すと、ティーダ、崖から落とされる>

ティーダ
「うわわわわ!

<ワッカも崖に飛び下りる>

ティーダ
「なにすんだよっ!

 

ワッカ
「ぐふふふふふ……

<ワッカ、ティーダの首に腕を巻く>

ティーダ
「はなせよっ!

ワッカ
「お願いがあるんだな〜

ティーダ
「あんたのチームに入れってんだろ!

ワッカ
「う!?

<ティーダ、引きはがす>

ワッカ
「もうすぐ大きなブリッツの大会がある スピラ中のチームが集まるデカイやつだ!
「デカイ大会だから おまえのこと知ってるやつらも きっと来る
「そしたら おまえ元のチームや生活に戻れるだろ?
「なあ 悪い話じゃないと思うぞ どうだ? な? な!

ティーダ
「いいよ

ワッカ
「ありがとよ〜! 大会まで たのんだぜ!

 

ブリッツと『シン』だけが ザナルカンドと

スピラをつないでいるような気がしたんだ

 

そんなにハズレてなかったろ?

 

 

<峠>

ワッカ
「オレはあそこで生まれて 5歳でブリッツボールを始めた
「13歳でビサイド・オーラカに入って…… 10年選手ってやつだな
「でも 10年やっても 大会じゃ 一度も勝てなかった
「んで引きぎわが かんじんだってんで 去年の大会を最後に引退したんだ
「でな 引退してから 新しい仕事を始めたんだよな
「でも ちょっと気ぃ抜いたら すーぐブリッツのこと考えちまう

ティーダ
「10年間 勝ちナシじゃあな

ワッカ
「うっ! 去年の1回戦はチャンスだった
「でも キツいことがあって 試合に集中できなかった

ティーダ
「いいわけッスね

ワッカ
「きびしいッスね

ティーダ
「次の大会で勝ってスッキリしたい そういうことか?

<ワッカ、うなづく>

ティーダ
「大会の目標は?

ワッカ
「順位は関係ないんだ いい試合ができたら それでいい
「本気でやったって充実感があれば オレ スッキリやめられると思う

ティーダ
「『目標?』って聞かれたら 『優勝!』って答えろよ
「試合に出るなら勝つ それ以外なにがあるんだ

ワッカ
「優勝……まじッスか

 

<村への坂>

【男A】
「おお 海から来た人か

【男B】
「この道は魔物が多いから 注意したほうがいいよ

【男A】
「『シン』に近づいたのに助かったんだろ こんなところでやられるなよ!

<二人、去る>

ティーダ
「誰?

ワッカ
「討伐隊のルッツとガッタ

ティーダ
「ん? トウバツタイ?

ワッカ
「おまえ そんなことも忘れちまったのか?
「悪かった 気にすんな オレかめんどう見てやる

ティーダ
「うっす
「その代わり 大会の時 大活躍してやるから!

ワッカ
「うっす
「討伐隊のとこは 直接聞けよ 村の宿舎にいるはずだ

 

 

 

TO BE CONTINUED....


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