FF10-P.L.SCENARIO_11

葛藤の行く末
-Beginning and end of a dream.

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

ユウナ
「旅……続けるよ

ティーダ
「うん

ユウナ
「やめちゃったらね……
「どこでなにをしていても……きっとつらい
「キミといっしょにいても…… わたし きっと笑えない

ティーダ
「……うん
「オレも行くから

【ユウナ】
「え?

ティーダ
「ガードだからな
「もしかして クビ?

【ユウナ】
「えっ ううん
「最後まで おねがい……します

ティーダ
「最後じゃなくて……
「ずっと

<ユウナ、首を縦に振る>

ユウナ
「……ありがと
「ね 先にみんなのところへ戻る?

ティーダ
「はーい

<ティーダ、行こうとすると、後ろから指笛が鳴る。→ユウナ、駆け寄る>

ユウナ
「うっ ふふふ
「やっぱり いっしょに行く

<二人、手を繋いで、皆のもとへ…>

 

ユウナ
「えっと……
「アーロンさん
「ワッカさん
「ルールー
「キマリ
「リュック
「夜が明けたら 出発します
「それから……
「いろいろ 心配かけてごめんなさい
「あの……

アーロン
「もういい ゆっくり……休んでおけ

ユウナ
「はい
「おやすみなさい

 

 

<そして、翌日…>

<ナギ平原・北部>

ルールー
「ナギ平原
「歴代の大召喚士様が『シン』と戦った土地
「そして……道が終わるところ
「この先には もう街も村もない 道なき荒野よ

アーロン
「だからこそ 道を見失って迷う召喚士もいる

ユウナ
「わたしは……迷わないよ

ティーダ
「オレ……
「死なせない 絶対なんとかする

ユウナ
「……うん
「行こう

 

絶対……なんとかする

 

言葉にすれば本当になる

そう……信じたかった

 

 

メイチェン
「この平原について 語ってもいいですかな?

<選択肢:「また今度」or「おねがいします」→「おねがいします」を選択>

メイチェン
「うむ
「ごぞんじのとおり この平原はかつては戦場でした
「ベベルとザナルカンドが争ったいわゆる機械戦争ですな
「戦のせいで なーんにもない野っぱらとなったのですわ
「やがて時は流れ……
「召喚士たちが この無人の地に目をつけました
「ここならば 激しく戦っても周囲に被害をおよぼしません
「『シン』との決戦にうってつけというわけですな
「究極召喚を手に入れた召喚士は ここで『シン』を待ったそうですわ
「いったい どんな気持ちだったのでしょうな……
「ともあれ『シン』はこの地に倒れ スピラにナギ節が訪れるのですな
「ですから ここはナギ平原 誰が呼ぶともなく ついた名ですわ
「だいたい……これぐらいですかな
「おお いかんいかん 語り忘れるところでしたわ
「この平原には そりゃあ深い大地の裂け目がありましてな
「400年前 大召喚士ガンドフ様が『シン』と戦った時のあとですなあ

 

<中部>

ベルゲミーネ
「ああ おまえたちか 今や完全に反逆者だな

ティーダ
「どーだっていいだろ

ベルゲミーネ
「なに 老師どものたわごとなど聞き流せばいい
「召喚士は打倒『シン』がすべて  寺院に従う道具ではない いいな

ユウナ
「……はい

ベルゲミーネ
「どうだ 『シン』を倒せる自信はついたか?

ユウナ
「わかりません でも……わたし やります

ベルゲミーネ
「よい覚悟だが それだけでは『シン』は倒せん
「おまえの力を見せてもらおう 召喚獣で勝負だ

<選択肢:「たたかう」or「やめとく」→「たたかう」を選択>

ベルゲミーネ
「よろしい  では 手合わせの前に……
「おまえの召喚獣はいやしておいた かかつてきなさい

<戦闘:(ベルゲミーネの召喚獣)>

<ベルゲミーネ、シヴァを召喚>

ベルゲミーネ
「好きな召喚獣を呼ぶがいい

<シヴァを撃破>

ベルゲミーネ
「そこまで もう十分だ

<戦闘終了>

ベルゲミーネ
「さすがだな 素晴らしい技量だ
「反逆者になっても『シン』と戦おうとするだけはある
「受け取れ 私からの祝福だ

<『パワースフィア』を30個、“召喚士の心”をもらう>

ユウナ
「ありがとうございます

ベルゲミーネ
「おまえならば きっとやれるだろう
「だがもし まだ力が足りないと思うなら 秘められた寺院レミアムを探せ
「私はそこで待つ ではな

<ベルゲミーネ、去る>

 

<すると、僧官のような男がやって来る>

ルールー
「ズーク先生!

ズーク
「久しぶりだな
「ユウナさんだね?
「ふむ……
「とてもキノック老師を殺した犯人に見えないね

ワッカ
「なんだそりゃ!?

ユウナ
「事情を聞かせてください

ズーク
「先ほど マイカ総老師じきじきの指令が出た
「召喚士ユウナとガードが キノック老師を暗殺して逃亡
「発見次第 誅殺せよ ……処刑宣告だ

アーロン
「ほかにベベルの状況は?

ズーク
「表向きは静かなものだが 水面下でごたついている
「キノック老師が亡くなった上に ケルク=ロンゾ老師が辞任した

アーロン
「好都合だな
「エボンが混乱すれば それだけ動きやすい

ズーク
「だが用心したまえ 今や君らはエボンの敵だ
「寺院にも近づかない方が賢明だね

ユウナ
「ご忠告 ありがとうございます

ルールー
「先生 それだけを伝えるためにここまで?

ズーク
「君たちがガードしている召喚士が どんな人なのか……
「いささか興味があったのでね
「今度は最後まで行けるといいね
「なによりも君自信のためだ

ルールー
「……はい 先生

ズーク
「では 私はこれで  無事を祈るよ

<ズーク、去る>

 

ティーダ
「今の誰?

ルールー
「半年前まで召喚士だった人 私とワッカは先生のガードだった

ワッカ
「ま 短い旅だったけどな

ルールー
「先生は途中で旅をやめたのよ この平原でね
「今はベベル寺院で僧官をつとめているわ
「私のガードの旅は これが3度目
「ズーク先生は2度目の旅 初めてのときは……
「2回とも この平原で挫折
「私 ここを越えたことないのよ
「北にそびえる【ガガゼト山】 その先が……【ザナルカンド】よ

 

ユウナ
「本格的に 反逆者だね

ティーダ
「言いたいヤツには言わせとけって

ユウナ
「だいじょうぶ 気にしてないから
「やっぱり 少し……きついかな  割り切るのは むずかしいね

ティーダ
「無理に割り切ろうとしないでさ キツけりゃグチっちゃえよ

ユウナ
「グチ かあ……
「そのうち 言っちゃうかも

ティーダ
「うん

ユウナ
「父さんも この平原で迷ったのかな

ティーダ
「かもよ オレのオヤジといっしょにさぁ

ユウナ
「アーロンさんに聞いてみようか

ティーダ
「あのおっさん そういうこと話さないんじゃないか?

ユウナ
「『他人は関係ない』とか言って?

ティーダ
「そう言うワリに 自分は他人を まきこむんだよな

ユウナ
「【ザナルカンド】まで あと少しだね……

 

ワッカ
「ズーク先生と旅したときはな……
「ほら いつか話しただろ
「ブリッツのことが気になって ガードに専念できなかった ってよ
「だから先生が 旅をやめるって言ったときは……
「正直言ってよ ホッとしたぜ
「じきに【ザナルカンド】か 時間……ねえよなぁ

 

キマリ
「ガガゼトはロンゾの地 キマリの故郷だ

ティーダ
「そうか 家族に会えるかもな

キマリ
「キマリに家族はいない

ティーダ
「あ……悪い

キマリ
「でも ひとりではない
「霊峰ガガゼト…… 10年 100年変わらない

 

アーロン
「荒れるな

ティーダ
「なにが?

アーロン
「マイカとシーモアの利害は一致していない
「最後に会ったシーモアの言葉を思い出せ
「マイカが認めるとは思えん
「エボンが揺れればスピラも揺れる

 

リュック
「もう 止められないのかな

ティーダ
「ユウナ 決めちゃってるからな

リュック
「でもさ ほっとけないよ

ティーダ
「ほっとかないって
「究極召喚を使っても ユウナが無事なようにする

リュック
「どうやって?

ティーダ
「んー その方法を考える

リュック
「でも なにも考えつかなかったら?

ティーダ
「うー もうリュックとは話さない
「でも でも って うるさい

リュック
「ごめん……

ティーダ
「いっしょに考えようよ

リュック
「うん

ティーダ
「んでさ もし なにも考えつかなくても……
「なんとかしよう

リュック
「うん!

 

【アルベド族】
シドぞくちょう から でんごんだ
ヒクウテイは しゅうりちゅう  しゅうりが すんだら むかえにいく
それまで きちっと ユウナを まもれ  しくじったら かんべん しねえ
……だとよ  たしかに つたえたぜ
ベベルで あんたらと わかれたあと ヒクウテイは ここに ちゃくりくした
ショウカンシたちも おろして しゅうりに むかったんだ

 

<北部>

【チョコボ屋】
「この平原を徒歩で旅するなんて たいした人たちね

<選択肢:「チョコボ 乗りたいな」or「歩きもいいもんだよ」→「チョコボ 乗りたいな」を選択>

【チョコボ屋】
「うーん……この平原のチョコボは ほとんど野生化してるのよ
「つかまえて訓練しないと まともに走ってくれないわ
「いま訓練しているチョコボも まだ人になれてないから 貸せないのよね
「チョコボはあきらめて歩いた方が早いかもしれないわね

<選択肢:「オレが訓練するッスよ!」or「そっか じゃまだね」→「オレが訓練するッスよ!」を選択>

【チョコボ屋】
「口て言うのは簡単だけど これがけっこう大変なのよ
「それでもいいの?

<選択肢:「もちろん!」or「やっぱいいや」→「もちろん!」を選択>

【チョコボ屋】
「わかったわ それじゃ こっちに来て

 

<そして…>

【チョコボ屋】
「やり方は簡単よ
「あなたのいる所から ここまで一定時間内で来てちょうだい
「でも 訓練されたチョコボじゃないから 好き勝手に走っちゃうわ
「それを→と←であやつって 私とチョコボの間を通過してね
「私とチョコボの間を通れなかったり  時間が かかりすぎたらダメだからね
「それと初めての場合は この後で【操作説明】を聞いた方がいいわね
「さ それじゃ始めましょうか 目標タイムは0:12:8よ!
「準備はいい?

<選択肢:「OKッス!」or「やっぱりやめた!」or「操作説明を見る」→「OKッス!」を選択>

 

<チョコボレーススタート>

 

<ゴール>

【チョコボ屋】
「おつかれさま〜 無事ゴールね!
「あなたのタイムは0:12:7よ!
「ということは……訓練成功ね! おめでとう!!
「もう いつでもチョコボに乗れるわ  乗りたくなったら 声をかけてね
「それと もっと高度な訓練もできるわ  やる気があったら 挑戦してね
「あと……はい これ! 合格のごほうびよ
「これからは最高記録と同タイムでも 特別に ごほうびをあげるわ

<ティーダ、『エリクサー』をもらう>

【チョコボ屋】
「もう一回やる?

<選択肢:「もう一回!」or「もういいや」or「違う訓練をする」→「もういいや」を選択>

 

<橋周辺>

【グアド・ガード】
「止まれ

<二人のグアド・ガードが立ちはだかる>

【グアド・ガード】
「シーモア様がお呼びだ ともに来てもらおう

ユウナ
「シーモア老師と話すことなどありません

ティーダ
「ちゅうわけだ どけよ

【グアド・ガード】
「シーモア様の命令は絶対 かならずお連れする
「シーモア様はおっしゃられた 死体でもかまわぬ とな

<グアド・ガード、モンスターを呼ぶ>

<戦闘:護法戦機>

<護法戦機>

<戦闘終了>

 

ティーダ
「こっちの道はちがうのか?

ルールー
「それ 谷底に降りる道よ

ワッカ
「よく知ってんなあ
「……あん?

 

<ユウナ、後ろへ振りかえって景色を見る>

 

ときどき……あんな顔で風景を見てた

 

その意味 やっとわかったよ

 

通りすぎる景色に……

お別れしてたんだよな

 

 

<ガガゼト山・山門>

<ロンゾ族が道をふさぐ>

ケルク
「召喚士ユウナとガード衆よ 早々に去れ
「ロンゾが守護するガガゼトは エボンの聖なる山
「教えに背いた反逆者には 御山の土は踏ませない

ビラン
「エボンの敵はロンゾの敵  帰れ 反逆者!

ユウナ
「わたしは寺院を捨てました もう寺院の命令には従いません

ケルク
「その言葉 取り返しがつかぬぞ!

ユウナ
「かまいせん
「寺院は教えをゆがめ スピラを裏切っています

ワッカ
「裏で小細工ばっかしやがってよ!

ティーダ
「そうだそうだ!

リュック
「そうだそうだ!

ユウナ
「未練はありません

エンケ
「言わせておけば!

ケルク
「召喚士とガードともあろう者が……

ルールー
「お言葉ですが ケルク=ロンゾ様
「あなたもベベルをはなれたのではありませんか?

アーロン
「それでも山を守るのは一族の誇りのため
「ユウナも同じだ

ケルク
「むっ……

ビラン
「ケルク大老!
「こいつらビランが八つ裂きにしてくれよう!

エンケ
「フハハハハ
「ひとりも逃がさん!

ユウナ
「ええ 逃げません
「戦って旅を続けます

ケルク
「反逆者の汚名を着せられて なお『シン』に挑むというか
「寺院に背き 民に憎まれても 旅を続けるというか!
「そこまでして 戦うのはなにゆえか!

ユウナ
「スピラが好きです
「ナギ節を待つ人たちに わたしができる贈り物
「たったひとつの贈り物
「それは『シン』を倒すこと
「……それだけです

ケルク
「おのれを犠牲にしても か……
「者ども 道を開けい
「召喚士ユウナよ  汝の思いは ハガネよりも硬い
「ロンゾの強者が束になろうと 汝の意思は曲がらぬであろう
「まこと 見事な覚悟である
「行くがよい
「霊峰ガガゼトは汝らを受け入れようぞ

ユウナ
「ありがとうございます

 

ルールー
「ユウナ……強くなったわね

ティーダ
「強い……のかな
「すごく必死になってる そんな気しないか

ルールー
「だから強いのよ あの子はちゃんと前に進んでる
「弱いひとが必死になっても 自分を追いつめて壊すだけ
「ちゃんと前に進めるのは……強いからよ
「ユウナは……強くなった
「私は……泣き言を言わずにいるのが せいいっぱい
「山登りの準備……おねがいね

 

ワッカ
「首 痛くなってくんな

ティーダ
「この向こうがザナルカンドか……

ワッカ
「ああ おまえの故郷だ

ティーダ
「信じてないくせに

ワッカ
「今は違うさ
「そりゃあ 山の向こうにあるのは遺跡かもしれねえ
「けど それとは別に おまえのザナルカンドがどっかにある
「きっと な  なーに そのうち帰れるって

ティーダ
「だと……いいな

ワッカ
「おら 元気ねえなぁ  ま 締まってくぞ
「ちゃんと準備しとけよ 山に入ったら補給はできねぇぞ

 

リュック
「……なんか思いついた?
「あたし あせっちゃって なんか ダメだよ……
「うう……考え中

 

キマリ
「ビランとエンケが消えた

ティーダ
「なーんか たくらんでそうだよな
「ま だいじょうぶだって!

キマリ
「ビランはロンゾ一の勇士  エンケも あなどれない強者だ

ティーダ
「あー…… たしかに ごっついよな

キマリ
「それでもキマリは勝たねばならない
「霊峰ガガゼト キマリも初めて登る

 

アーロン
「決定的だな

ティーダ
「何がさ?

アーロン
「エボンは揺れている
「まだマイカが抑えているが 遠からず崩壊が始まるだろう

ティーダ
「そういうの オレ どうでもいいな

アーロン
「おまえはスピラの者ではないからな
「純粋に教えを信じていた者にとっては……
「苦しい時代が始まるかもしれん
「10年前も ここでガガゼトを見上げたものだ

ティーダ
「オヤジは……どうしてた?

アーロン
「……おぼえていない
「どうやって ブラスカを死なせないようにするか……
「俺は そればかり考えていた
「ガードとして できることは残り少ないぞ……

 

ユウナ
「あと少し……だね

 

ケルク
「召喚士ユウナの言葉 ひとつひとつ胸に響いた
「声も体も小さくとも その志はガガゼトの頂まで届くであろう
「霊峰ガガゼトの道は険しく 多くの魔物が住みついておる
「ガード衆よ 万全の準備を整え 召喚士をお守りせい
「……心して召喚士をお守りせい

 

【ロンゾ族】
「ビランとキマリの因縁は10年前に始まった
「ロンゾの若衆は仲間同士で戦い たがいの力を比べる
「キマリはビランに敗れても一度も負けを認めなかった
「腹を立てたビランはキマリのツノをへし折った
「キマリは恥に耐えられず 御山を捨てて出ていった
「キマリが無口になったのはツノを折られた時からだ

 

<登山道>

ビラン
「待て!

<ビランとエンケ、立ちはだかる>

ティーダ
「また邪魔するってのかよ!

ビラン
「召喚士は通す ガードも通す
「キマリは通さない
「キマリはロンゾの面汚し ロンゾの使命を捨てた者

エンケ
「一族を捨て 御山も捨てた! 小さいロンゾ 弱いロンゾ!

ビラン
「御山は 弱く小さい者をきらう  登りたければ……

キマリ
「力を示せばいいのだな

ビラン
「勝てると思うか?
「誰がキマリのツノを折ったか 忘れてはいまい

エンケ
「キマリは一度もビラン大兄に勝てなかった

キマリ
「今度は勝つ 勝つと決めた

【ティーダ】
「このっ!

<キマリ、ティーダを止める>

ティーダ
「うっ!?
「ロンゾの問題だってのかよ!

キマリ
「キマリの問題だ
「んっ!!

<キマリ、ビランとエンケに突進する>

<戦闘:ビラン&エンケ>

ビラン
「ビランが八つ裂きにしてくれよう!

エンケ
「ツノなし ツノなし!

<ビラン&エンケを撃破>

ビラン
「キマリ=ロンゾ 見事なり!

<戦闘終了>

ビラン
「強くなったな キマリ  ビランは うれしいぞ
「霊峰ガガゼトよ!
「ビランを負かした強者の栄えある名前を伝えよう!
「しかとおぼえよ ガガゼトよ! その名はキマリ=ロンゾなり!
「御山はキマリの強さを知った キマリを受け入れるだろう
「召喚士!
「寺院からの追っ手は われらロンゾが食い止める

ユウナ
「ほんとうですか!

ビラン
「昔 キマリのツノを折ったつぐないだ

エンケ
「召喚士の後ろから来る敵はわれらが倒す

キマリ
「ユウナの前に立つ敵は キマリが倒す

ビラン
「おまえほど恵まれた召喚士はいない

ユウナ
「ありがとうございます

エンケ
「おまえの像ができたら ロンゾが みがいてやる

ユウナ
「……はい
「でも わたしは反逆者ですから きっと像は作ってもらえません

ビラン
「ならばロンゾが作る

エンケ
「りっぱなツノをつけてやる

ユウナ
「はい おねがいします

<ビランとエンケ、去る>

 

オレもユウナの像を

見上げたいと思った

 

……ユウナと いっしょにさ

 

 

<すると、崖の上からまたビランとエンケが現る>

ビラン
「召喚士ユウナ!

ティーダ
「しつこいっつうの!

<ビラン、祈りの歌を歌う。→それに合わせて、ロンゾ族が続々と現れ、一斉に合唱する…>

 

ルールー
「ここで力つきた召喚士やガードたちの墓標よ

 

ルールー
「この山で命を落とした召喚士は……
「異界送りされないのよ

ティーダ
「なんで……

ルールー
「別の召喚士がいないと誰も送れないでしょう?

ティーダ
「ってことは……

ルールー
「何人かは魔物になってこのあたりにいても おかしくない

ティーダ
「ユウナは だいじょうぶだけどな!

ルールー
「そうね

 

ワンツ
「はじめまして ユウナ様  ボク ワンツっていいます

ユウナ
「今まで 何度か会ってますよね

ティーダ
「今日は逃げないのか?

ワンツ
「兄さんの代わりにちゃんとした仕事しないとね
「旅の商人23代目オオアカ屋 知ってる……よね?

ティーダ
「おまえ あいつの弟!?

ワンツ
「うん 兄さん ユウナ様を助けに来たがっていたけど……
「反逆者に協力した罪で 寺院につかまったんだ

ティーダ
「オレたちのせいか!?

ワンツ
「でも 兄さんは後悔してない  だって つかまる前に言ってたしね
「自分の代わりに ユウナ様を助けてくれ って

ユウナ
「どうしてそんなに良くしてくれるんですか?

ワンツ
「それは……
「ほら! そんなこと気にしてる場合じゃないだろ?
「ボクの仕事 やらせてよ
「オオアカ屋 よろしく!

<選択肢:「武器みせて」or「アイテム見せて」or「やめておく」→「やめておく」を選択>

ユウナ
「お兄さんのご無事 祈ってます

ワンツ
「ユウナ様こそ お気をつけて

ユウナ
「はい

 

ルールー
「ここまで来て倒れるのはくやしかったでしょうね……

 

<峠>

リュック
「山 こえたら…… ザナルカンドだよ

ティーダ
「わかってる

リュック
「ユウナ 究極召喚 手に入れちゃうよ

ティーダ
「わかってるよ

リュック
「あたし…… なんも思いつかない

ティーダ
「オレもだ

リュック
「どうしよ〜?

ティーダ
「なんとかなる
「今のオレたちは なにも知らない
「このままじゃ ユウナを助けられないけど……
「ザナルカンドへ行こう  行けば なにかわかるって
「きっと そこから始まるんだ

リュック
「へ〜……

ティーダ
「ん?

リュック
「今 たよれるエースってカンジしたよ

ティーダ
「ザナルカンド・エイブスのエース! 最初から言ってんだろ

リュック
「はは〜っ!
「あ〜っ!?

<背後から、シーモアが現れる>

シーモア
「ほう……ジェクトの息子か

ティーダ
「リュック 先に行ってアーロンに伝えろ

リュック
「ひとりで戦う気!?

ティーダ
「いいから行けって!

シーモア
「フン……
「よかろう 死の安息に沈め

ティーダ
「スカしてんじゃねえよ!

キマリ
「かっこうをつけるな

シーモア
「ユウナ殿 お久しゅう

ルールー
「ユウナ!

シーモア
「フン 異界送りか
「その前に ロンゾの生き残りに伝えたいことがある
「フフフフ 実に 実に勇敢な一族だった
「私の行く手を はばもうと 捨身で挑みかかり……
「ひとり またひとり

キマリ
「ばかな……

ユウナ
「キマリ……

シーモア
「そのロンゾの悲しみ いやしてやりたくはないか?

ユウナ
「なにを言いたいのです

シーモア
「彼を死なせてやればいい 悲しみは露と消える
「スピラ……
「死の螺旋に とらわれた悲しみと苦しみの大地
「すべて滅ぼして いやすために 私は『シン』に
「そう あなたの力によって
「私と ともに来るがいい

<ティーダ、ユウナの前へ>

シーモア
「私が新たな『シン』となれば おまえの父も救われるのだ

ティーダ
「うっ……う……
「おまえに なにがわかるってんだ!!

シーモア
「あわれなものだな

<シーモアの背後から謎の物体が現れる。→シーモア、その物体と同化>

シーモア
「だが その絶望もここで消える
「すべてのなげきを絶ち切ってやろう

<戦闘:シーモア:終異体&幻光祈機戦>

<シーモア:終異体&幻光祈機戦を撃破>

<戦闘終了>

ティーダ
「もう邪魔すんなよ!

ユウナ
「わたしの力で『シン』になる……

アーロン
「たわごとだ 忘れろ

ユウナ
「彼が『シン』になれば ジェクトさんが救われる……?

アーロン
「行くぞ

ユウナ
「なにか知ってるなら教えてください!

<ユウナ、ティーダに近づく>

ユウナ
「教えて

ティーダ
「う……
「『シン』……オヤジなんだ

ワッカ
「なんだそりゃ?

ティーダ
「『シン』は オレのオヤジだ  オヤジが『シン』になったんだ
「リクツとか そういうの よくわからない
「でもオレ……感じた  『シン』の中には オヤジがいる
「オヤジが スピラを苦しめてるんだ
「……ごめん

ユウナ
「……ごめん
「たとえ『シン』がジェクトさんでも……
「『シン』が『シン』であるかぎり わたし……

ティーダ
「わかってる 倒そう
「オヤジもそれを望んでる

ルールー
「父親と……戦える?

ティーダ
「だいじょうぶ やるよ オレ

ワッカ
「なあ その話よお……
「『シン』の毒気にやられて夢を見た……わけじゃ ねえよな

ティーダ
「おう……

ワッカ
「んじゃ チャップは……
「……わりいけどよ オレ なにも聞いてねえことにしとくわ
「アタマこんがらがってきたぞ?
「なんでまた そんなことになっちまったんだ

アーロン
「行けばわかる もうすぐだ

 

<祈り子群>

ユウナ
「あっ!?

<数え切れないほどの人間がスフィア内に固まっていた…>

【ティーダ】
「あっ…… ああ……!

ワッカ
「なんだこれ!?

ユウナ
「祈り子様だよ

【ワッカ】
「あ あ……

ユウナ
「あ 召喚されてる……
「誰かが 召喚してる……
「この祈り子様たちから 力を引き出してる

リュック
「こんなにいっぱい?

ルールー
「なみはずれた力ね いったい誰が……なにを?

リュック
「ねえ なんか知ってるんでしょ? 教えてよ!

アーロン
「他人の知識など あてにするな  なんのための旅だ

リュック
「ユウナの命が かかってるんだよ!

ティーダ
「いや……アーロンの言うとおりだ

リュック
「へ?

ティーダ
「これはオレたち…… オレの物語なんだから
「うわっ!?

 

<ティーダ、意識だけがザナルカンドの港に飛ばされる>

 

ティーダ
「あ?

 

祈り子
「おかえり

ティーダ
「おまえ……

祈り子
「ベベルで会ったよ おぼえてる?

ティーダ
「あ……ああ

祈り子
「けど あれが最初じゃないよね
「キミのこと 前から知ってる  ずっと ずうっと昔から

ティーダ
「オレも……知ってるような気がする
「ここは?

祈り子
「へんなこと言うなあ キミの家だろ?

 

ワッカ
「どうしちまったんだよ おい!?

リュック
「ねえ 起きてってば〜!

 

ティーダ
「もしかして……ぜんぶ夢だろ

祈り子
「あたり

ティーダ
「夢!?
「ざけんなっての
「夢なんか見てるヒマ ないんだからさあ

祈り子
「ちがうよ
「キミは夢を見てるんじゃない キミが夢なんだ

ティーダ
「あ? なんだよ それ

 

祈り子
「昔 大きな戦争があった

ティーダ
「ああ……機械の?

祈り子
「うん ザナルカンドとベベルが戦ったんだ
「始めから勝負はついてた ベベルの軍隊はみんな機械で……
「ザナルカンドの召喚士たちは ばたばたやられちゃったよ
「ザナルカンドは 滅びるしかなかったんだ
「だから……姿だけでも残そうとしたんだよ

ティーダ
「なに……したんだよ

祈り子
「生き残った召喚士と それに街の人たちもみんな……
「祈り子になったんだ 召喚するためにさ

ティーダ
「召喚……って『シン』!?

祈り子
「ちがうよ……ここだよ
「眠らない街 ザナルカンド

ティーダ
「んああ?

祈り子
「祈り子たちの夢をたばねて 街の思い出を召喚したんだ
「ひとつひとつの建物だとか 街に住んでた人とかね

ティーダ
「人って……それも夢かよ!
「オレ……も?

<祈り子、コクリとうなづく>

祈り子
「キミは 祈り子たちの夢
「キミのお父さんもお母さんも みんな みんな……夢
「祈り子たちの夢が消えたら……

ティーダ
「やめろよ
「夢でもなんでもいいよ
「オレを……消すな

祈り子
「ずっと夢を見てて…… なんだか疲れちゃった
「ねえ キミと キミのお父さんなら 僕たちを眠らせてくれるかな
「キミとお父さんは『シン』に触れた
「スピラをめぐる死の螺旋 その中心にいる『シン』にね

ティーダ
「ワケわかんねえよ……

祈り子
「キミたちはもう ただの夢じゃない

 

ユウナ
「お願い 目を開けて!

 

祈り子
「もう少し 走ってみせてよ
「キミは 夢を終わらせる夢になれるかもしれない……

 

<そして…>

【ティーダ】
「ん!?

<ティーダ、現実に目を覚ます>

ユウナ
「だいじょうぶ?
「よかった……

リュック
「もー…… すんごく心配したんだからー!

ルールー
「だいじょうぶ?

ティーダ
「……うん

ユウナ
「どう……したの?

ティーダ
「なんでもないよ 気ぃ失って 夢見てた
「みんなに呼ばれて……目がさめた
「よっ!

<ティーダ、立ちあがる>

ティーダ
「はぁー
「よく寝たし 気力回復! んじゃ 行くッス!

 

<登山洞窟>

ワッカ
「こりゃあ オレたちの出番だな

ルールー
「水中でなにが起きても 3人だけで切り抜けてもらうしかないわ
「危なくなったら すぐ引き返して

ワッカ
「おう!

ユウナ
「無理 しないでね

 

アーロン
「そろそろ……来るはずだ
「召喚士の力をためすために奴は魔物を放った

ユウナ
「誰が……ですか?

アーロン
「ユウナレスカだ

ユウナ
「ユウナレスカ様!?

アーロン
「ザナルカンドで強い召喚士を待っている

ユウナ
「生きて……いらっしゃる?

アーロン
「マイカやシーモアと同じだ

ユウナ
「……そうですか

アーロン
「おじけづいたか

ユウナ
「いいえ
「もう なにも怖くないんです

アーロン
「フン……ブラスカの娘だな

ユウナ
「最後まで そうありたいと思っています

 

<山頂付近>

アーロン
「来る!

<戦闘:聖地のガーディアン>

<聖地のガーディアンを撃破>

<戦闘終了>

リュック
「ねえ! ちょっと休憩しない?

アーロン
「休む必要はない あと一息で山頂だ

リュック
「あとちょっとだから休みたいんだってば!

<リュック、腰を落とす>

リュック
「考える時間 少ししか ないんだもん

ユウナ
「リュック……

リュック
「いいよ 歩きながら考えるから

<一行、進む>

ワッカ
「おう どした 行こうぜ

ティーダ
「ほんとに…… もうすぐなんだよな

ワッカ
「とうとうここまで来ちまったなぁ……

【アーロン】
「フン

ティーダ
「なにがおかしいんだよ

アーロン
「昔の俺と同じだ

【ティーダ】
「え?

アーロン
「あの時……ザナルカンドに近づくほど 俺も揺れた
「たどりついたらブラスカは究極召喚を得て……
「『シン』と戦い 死ぬ
「旅の始めから 覚悟していたはずだったが……
「いざ その時がせまると怖くなってな

ワッカ
「なんつうか……意外です
「伝説のガードでも 迷ったりするなんて……

アーロン
「フン なにが伝説なものか  あのころの俺は ただの若造だ
「ちょうど おまえくらいの歳だったな
「なにかを変えたいと思ってはいたが……
「結局は なにもできなかった
「それが……俺の物語だ

 

<ティーダ、ザナルカンドの遺跡を見下ろす>

 

1000年前に滅んだ都市

 

この目で たしかめたいと思っていた街

 

ユウナの旅の目的地

 

オレの物語の 最終章なのかも……

 

いろんな思いが……浮かんでは消えていった

 

言葉にならずに……通りすぎていった

 

 

リュック
「みんなホントにいいの!?
「あそこに着いたら ユウナは……

ユウナ
「リュックの気持ちはとてもうれしいんだ
「でもね……
「もう 引き返さない

リュック
「引き返せなんて言わないよ
「でも 考えようよ!
「ユウナ 助かる方法 考えようよ!

ユウナ
「考えたら…… 迷うかもしれないから

リュック
「ユウナ……

<ユウナ、リュックを抱き締める>

ユウナ
「ありがとう リュック 大好きだよ

リュック
「いやだよ ユウナ そんなこと言っちゃいやだよ……

ユウナ
「シドさんに よろしく

リュック
「いやだよ 自分で言いなよ

ユウナ
「……おねがい

リュック
「そんなこと言わないでよ……
「もう会えなくなるみたいでいやだよ!

ユウナ
「キマリ 行こう

 

<ティーダ、さきほど(リュックを抱き締めるときに)ユウナが落としていったスフィアを拾う>

 

<ユウナのスフィア>

ユウナ
「アーロンさん
「キマリから聞きました
「わたしをベベルから連れ出せという父さんの言葉……
「キマリに伝えたのはアーロンさんですよね
「いつかお会いしたいと思っていました
「お会いできて うれしいです
「ガードまで つとめていただいて どう お礼をしたらいいのか……
「いいえ…… お礼は『シン』を倒すこと
「そうですよね
「はい わたしは『シン』を倒します
「みんながこれを見るころには 『シン』は もういないでしょう
「それに……わたしも
「だから今のうちに言っておきます
「アーロンさん ありがとうございます
「キマリ……
「初めて会った日のこと おぼえてる?
「わたしが ななつのときだよ
「父さんが『シン』を倒して ベベルは大騒ぎでね……
「みんなが父さんをほめたたえて…… 自分のことみたいに うれしかった
「でも 夜になって思ったんだ
「『シン』を倒したけど 父さん 死んじゃったんだ
「わたし ひとりぼっちなんだって
「眠れなくて そのまま街に出て お祭り騒ぎを抜けて……
「ベベルの長い橋に立って ひとりで ながめてた
「父さんを見送った橋から 父さんが戦った平原を
「そしたら キマリが現れたんだ
「ブラスカの娘を探しているって 言ったでしょ?
「最初は……こわかった
「でも すぐにわかったよ やさしい人なんだって
「ふふっ 子供と話すの なれてなかったんだよね
「わたしがブラスカの娘ですって答えたら……
「ベベルから一番遠いところへわたしを連れていくって……
「これは死にゆく者の願いだって
「わたし 泣いちゃったよね
「あれはね 父さんが死んだんだって……
「もう会えないんだって わかったから……
「キマリ なにも言わずに抱きしめてくれた……
「ビサイドについてからも わたし泣いたっけ
「わたしを寺院にあずけたら キマリ 村を出ようとしたじゃない
「行かないでって しがみついて泣いた
「あれから ずっとそばにいてくれて……
「キマリ……ほんとうに ありがとう
「折れたツノ 好きだよ
「ワッカさん ルールー
「ビサイドで暮らした日々 ずうっと忘れない
「チャップさんと3人で よく遊んでくれた
「だから わたし いつも元気でいられたよ
「召喚士になるって言ったとき あんなに反対してたのに……
「ごめんなさい
「いつか あやまろうと思ってた
「でもね 反対された時 とてもうれしかったんだ
「わたしのこと 心配してくれてるんだなぁって
「ほんとうに 兄さんと姉さんができたみたいだった
「ううん
「ほんとうの兄さんと姉さんだと思ってる
「ふ…… ヘンかなあ?
「ブリッツをしているワッカさん 好き
「おこりんぼのルールー どんなにしかられても 好き
「……それから
「新入りガードくん
「ザナルカンド・エイブスのエース
「キミは……
「キミが……
「えっと……
「キミと……会えてよかった
「まだ 会ってからそんなに たってないけど……
「……ふしぎ
「こういうものなのか って 思った
「それは 想像してたより とっても素敵な気持ちで……
「素敵だけど……つらいよ
「うーん……なんだろう
「へへ うまく言えないや  とにかく 会えてよかった
「だから つらいのかな……
「キミと別れる時のこと考えると……
「……こわいよ
「なんかヘンだなぁ……
「ここ 撮り直しっす
「えっと……

<そこへ>

ティーダ
「な〜にしてるッスか?

<ティーダ、後ろから現れ、ユウナはスフィアを慌てて隠す>

<終了>

 

 

<ザナルカンド遺跡>

 

最後かもしれないだろ?

 

だから ぜんぶ話しておきたいんだ

 

 

<大回想終了>

 

 

 

TO BE CONTINUED....


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