FF10-P.L.SCENARIO_04

ルカの変
-The first revealed truth.

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

<翌日>

<ウイノ号、ルカにまもなく到着>

アナウンサー
「全スピラのブリッツフリークが 待ちかねた日がやって来ました!
「シーズンの開幕を告げるビックトーナメント!
「今年はエボン寺院の後援をうけて開催されます
「総老師ヨー=マイカ様の在位50周年記念トーナメント

<ルカに到着>

<ルカ港>

アナウンサー
「さあ 出場チームを乗せた船が続々と入港しております!
「こちらは……2番ポートですね
「キーリカ島からの出場チームは キーリカ・ビースト!
「大召喚士オハランド様の流れをくむ伝統あるチームです
「彼らの故郷キーリカ島は 『シン』に襲われたばかりですが……

解説者
「そう 故郷のファンをはげますためにも 彼ら 優勝をねらってきますよ!

アナウンサー
「それは期待できそうです!
「さあ 続いて出てきたのは……
「おーっと! あれは伝説のチーム ビサイド・オーラカだっ!
「まさに まさに最弱伝説! あまりにも勝てない奇跡のチーム!
「23年連続初戦敗退はマネのできない ぶっちぎりの記録だ!
「毎度毎度の みごとな負けっぷりに妙なファンがついてるらしいぞ!

解説者
「ケガをしないように注意して 無事に島に帰ってほしいですね。

アナウンサー
「そうですねえ
「さーて次行きましょう 次! 続いての登場は……
「来た来た来た来た〜っ! われらの英雄ルカ・ゴワーズ!
「パワー・スピード・テクニック! チームワークとファインプレー!
「すべてを かねそろえた最強チームが ルカの街に帰ってきましたぁ!

解説者
「文句なしに もっとも優勝に近い 最高のチームですね
「去年に引き続き 今大会も制覇して 伝統にいろどりを加えることでしょう!

アナウンサー
「そうです その通りです! ごらんください この盛り上がり!
「まるでルカの街全体が ゴワーズの栄光を祝福しているようではありませんか!
「街は知っているのです 勝利をつかむ英雄の名を!
「そう その名はルカ・ゴワーズっ!

 

<ティーダ、面白くない様子で地を蹴る>

ワッカ
「まあ 毎年こんなもんよ  いちいち気にすんなって

 

<するとティーダ、大きな箱の上にあがって、ゴワーズを睨み付ける>

ティーダ
「チョーシ乗んなよ ゴワーズ!
「おまえらがデカイツラしてられんのも 今のうちだからな!
「今年の優勝は オレたちビサイド・オーラカがいただくっ!
「ぐはっはははは!!

<一同、シーンと静まり返る…>

 

ワッカ
「こ〜のスットコが! えらい恥かいたぜ

ダット
「でも目立ったぞ!

レッティ
「スフィアにうつったぞ!

【その他メンバー一同】
「うつったって?
「うん
「うつったか……

<すると…>

【野次馬・男A】
「マイカ総老師ご到着だぞ!

【野次馬・女】
「そんな時間!?

【野次馬・男B】
「3番ポートへ急げ!

ティーダ
「なーにがはじまるッスか?

ユウナ
「マイカ総老師がご到着なさるの

ティーダ
「マイカ ソウロウシ?

ルールー
「マイカ総老師は エボンの民の頂点に立つお方
「聖ベベル宮から ご観戦にいらしたの  総老師の在位50周年記念大会だからね

ティーダ
「50年!? いいかげん引退した方がいいんじゃないの〜?

ワッカ
「おい! 言葉をつつしめよ

ユウナ
「わたしたちも お迎えに行こうよ

 

<2番ポート>

【女性A】
「マイカ総老師は 50年にわたってスピラを指導してきたお方よ

 

【住民A】
「マイカ様は お年を召してらっしゃる  民の前に現れることは めったにない

 

【住民B】
「マイカ様のお姿を一目見れば田舎に帰って自慢できるぜ

 

【住民C】
「無事に到着できて一安心だ  リキ号の二の舞は ごめんだからな

 

【住民D】
「おエライさんも見に来るし やっぱ本場の大会は違うよな〜

 

【若者A】
「優勝は今年もルカ・ゴワーズ! これで決まりだろ!

【若者B】
「いやいや キーリカ・ビーストも忘れちゃいけないぜ!

 

<3番ポート>

ティーダ
「うーーーん
「見えないッス

ワッカ
「シーッ!

 

<厳重なガードに守られ、青い髪の青年が登場する>

 

【野次馬・男C】
「グアド族……だよな

【野次馬・女】
「誰かしら?

【野次馬・男B】
「もしや シーモア老師!?

 

<スピラの挨拶を一斉にする。→そこへ、マイカが来る>

 

マイカ
「盛大なる歓迎 まこと感謝にたえぬ
「立たれよ シーモア老師
「皆も顔を上げよ
「この青年は……
「先ごろ異界の住人となったジスカル=グアド老師の遺児である
「すでに知る者も多いが こたび正式にエボンの老師となった

シーモア
「おそれ多くも老師の位をさずかりました シーモア=グアドと申します
「生前 父ジスカルは ヒトとグアド族の友好を なによりも望んでおりました
「志なかばで倒れた父の理想を実現すべく 身命を賭して職務にはげむ所存でございます。

ワッカ
「ほら おまえも祈っとけ!

<シーモア、一瞬ユウナを凝視する。→その後、すぐに去る>

ワッカ
「気合い入るよなあ……!
「うっし! 試合前のミーティングだ 行くぞ!

 

<そして…>

<オーラカ控え室>

オーラカ一同
「ふう〜……

ティーダ
「ワッカは?

ダット
「トーナメントの抽選っす!

レッティ
「去年は 1回戦でゴワーズと当たっちゃって……

ジャッシュ
「その前も その前の前も……

キッパ
「ま どこと当たっても負けてたんだけど……

<そこへ、ワッカが来る>

ダット
「ワッカさん!

<ワッカ、ガッツポーズをする>

ワッカ
「ニッ!
「初戦の相手はアルベト・サイクス! その後は……決勝だ!
「そう オレたちはシード権をゲットした! 2回勝てば……優勝だ!!

【オーラカ一同】
「うおっ〜!
「いえーい!

ワッカ
「気ぃ抜くな〜! 初心に返って基本ルールの練習だ!

 

 

<ティーダ、退屈そうにあくびをする>

【ティーダ】
「ふわぁぁ〜

<すると、ユウナとルールーが入って来る>

ユウナ
「聞いて!
「カフェでアーロンさんを見たって人がいたの

 

ティーダ
「アッ アーロン!?

ユウナ
「そう アーロンさん! 会いに行こう!

ワッカ
「おいおいおいおいおい! シアイカイシはスグダッ
「は 早く戻ってきてくれよ?

ティーダ
「まかせとけよ

ワッカ
「う うっす!

ティーダ
「ワッカワッカ?
「かたい
「いや顔じゃなくて 顔コワイよ  かたい
「リラックス…… そうそう そ〜いうカンジ

【ユウナ】
「ふッ ふふふふっ

 

<そして…>

ユウナ
「これでジェクトさんの消息もわかるかもね

ティーダ
「あ? なんで?

ユウナ
「アーロンさんも 父さんのガードだったの
「だからジェクトさんのこと なにか知ってると思うんだ
「早く行こう!

 

 

ユウナが言ってるアーロンと

ザナルカンドで出会ったアイツ

 

別人かもしれない……なんて

ぜんぜん考えなかった

 

なんでか知らないけど……

わかったんだ 同じヤツだ って

 

 

【アルベド族】
ショウカンシ さまだ
ほうこく するか

ティーダ
「あっ!
「アルベド・サイクスだろ?
「オレ この前アルベドに世話になったんだ
「リュックって子に メシ食わせてもらってさ
「あ〜 言葉 通じないのか……
「うーん……
「まあ なんていうか……
「リュックに会ったら よろしく伝えてくれッス
「と それから一回戦 よろしくッス

 

<ティーダ、ブリッツスタジアムを出ると、報道陣に囲まれているユウナに気付く>

 

ユウナ
「すみません 通してください

<ユウナ、ティーダに駆け寄る>

ユウナ
「さ 行こう

ティーダ
「すごい人気だな〜

【ユウナ】
「ふふっ……

 

ユウナ
「はぐれたら大変だね

ティーダ
「ユウナ!

【ユウナ】
「は?

<ティーダ、いきなり指笛を吹く>

ユウナ
「わ!?
「な なに?

ティーダ
「ははっ はははは!
「ザナルカンドではブリッツのときこうやって応援するんだ
「ユウナもやってみ 指をこーいうふうに当てて……

ユウナ
「えっと……こう?

ティーダ
「そうじゃなくて こう
「うんうんうん……で 思い切り 吹く

<ユウナ、2度挑戦する>

ユウナ
「ダメみたい

ティーダ
「練習ッス!

ユウナ
「そっすね

ティーダ
「もしはぐれたら それで合図な
「そしたら オレすぐに飛んでくからさ
「ま 吹けるようになるまでは はぐれないようにするってことで

ユウナ
「了解です

 

<中央広場>

ティーダ
「ほ〜 けっこう人多いなぁ

ユウナ
「ルカは スピラで2番目に大きな街だよ

ティーダ
「どこもビサイドやキーリカみたいなもんかと思ってたよ

ユウナ
「街がね……大きくならないの
「人が集まってきて 街に活気が出てくると……

ティーダ
「『シン』?

【ユウナ】
「うん

ティーダ
「ここは安全なのか?

ユウナ
「ここも同じ でもスタジアムがあるでしょ?
「だから 討伐隊の人たちが命がけで『シン』を追いはらうの

ティーダ
「スタジアムのために?

ユウナ
「ブリッツの試合が開けないと楽しみがなくなっちゃうからね
「スピラには楽しいこと あまりないから

ティーダ
「ぐわ〜!? 選手は責任重大だなあ

ユウナ
「ふふっ そうだよ〜
「ね ザナルカンドも こんなふうなの?

ティーダ
「ここよりずっとごちゃごちゃしてる でかい建物がぎっしりでさ

ユウナ
「きっと すごいんだろうなあ  わたし 目が回っちゃうかも

【ティーダ】
「はははははは!

ユウナ
「アーロンさん 探そ!

 

<町はずれ>

ガッタ
「あれ?
「こんなところでブラついていいのかよ もうすぐ試合が始まっちゃうぞ!
「人を探してるんだ

ルッツ
「なら ここに来たのはムダ足だな 見ろ ほとんど人気がないだろう

ガッタ
「みんなスタジアムに行ってるか スフィア放送にかじりついてるよ
「ブリッツに夢中ってわけさ

ティーダ
「あんたたちは観ないのか?

ルッツ
「そりゃ観たいさ  でも 作戦の打ち合わせがあってな
「おそいな
「伝令は ほっといて  もうスタジアムに行くか?

ガッタ
「はー マジメにやってくださいよ 先輩! オレたちには任務があるんですよ!

ルッツ
「はあ…… というわけだ
「まあ 少しおくれるかもしれんが 試合は観に行くつもりだよ

ガッタ
「オレたちが行くまでに負けちまうなよ

ティーダ
「ああ まかせとけ!

 

 

【住民E】
「カフェは満員だとよ やってられねえや

 

<カフェ>

ティーダ
「はーあ…… いないみたいだ

ユウナ
「うーん 聞いてみよっか!

 

<そして>

【一同】
「おおっ!!

<カフェでキマリがからまれている>

エンケ
「なぜ だまる キマリ 10年会わなかったエンケに どうして答えない
「キマリはエンケを忘れたか? ビラン大兄を忘れたか?

ビラン
「責めるな エンケ  キマリは小さいロンゾだ
「背が低い 顔が見えない ビランとエンケがわからない

エンケ
「うはははは!
「ロンゾの同朋を忘れたか 恩知らず! ツノが生え変わるころ かわいがった!
「ビラン大兄はキマリを きたえて 強いロンゾに育てた

ビラン
「やりすぎたが

ティーダ
「やっちゃえば?

エンケ
「うはははは!

<キマリ、たまらずエンケを殴り倒す>

エンケ
「ぐえ!?

【一同】
「おおっ!!

【観客】
「試合が始まるぞ! モメるなら外でやれ外で!

ティーダ
「まずいッス!?

<スフィアのモニターから>

マイカ
「今日 この善き日に スピラ全土から選手が集った
「きたえぬいた力と技を 正々堂々 闘いあうためである
「いずれ劣らず強豪たちの誰が優勝しても不思議ではない
「勝敗の行方は 誰も知らぬ  それゆえ われらはただ賞賛しよう
「勝者の栄誉をたたえ 敗者の力闘をたたえようではないか
「全選手諸君 健闘を祈る

 

<ブリッツボール、試合開始>

 

<一方、カフェではキマリとビランが殴り合いをしている>

ティーダ
「キマリ! ユウナがいない!

<キマリ、ティーダ、カフェを飛び出す>

ルールー
「あんたたち なにしてたのよ!

ティーダ
「あ?

ルールー
「ユウナがさらわれたわ アルベド・サイクスのしわざ
「無事に帰してほしければ 1回戦で負けろって

ティーダ
「きったねえ……

ルールー
「犯人がただの選手なら 手荒なマネはしないと思うけど……
「万一ってこともあるわ 助けに行くわよ

ティーダ
「オレも行く!
「だいじょうぶだって!
「23連敗中のチームにワザと負けろなんてさあ
「そんなこと言うチームなんてたいしたことないって

ルールー
「ワッカたちもそう言ってたわ
「試合はなんとかするから ユウナをたのむって
「【4番ホーム】にアルベド族の船が入港している
「乗りこむわよ

 

【男A】
「なあ 連絡戦が運休って本当か?

【男B】
「まだ近くの海に『シン』がいるかもしれないんだって

【男A】
「これじゃ いつキーリカに帰れるか 見当もつかんな

 

【住民F】
「開会式が始まったんで みんな観に行っちまったよ
「ちゅうか あんた選手だろ ほっつき歩いててエエんか?

 

<1番ポート>

オオアカ屋
「スタジアムの店は大会中 休業だとよ
「ちゅうわけで オオアカ屋 よろしく!

<選択肢:「武器みせて」or「アイテム見せて」or「オオアカ屋に投資」or「間に合ってる」→「間に合ってる」を選択>

オオアカ屋
「みんな大会で浮かれてて サイフのヒモがゆるいぜ
「かき入れ時ってやつだな

 

【ロンゾ族A】
「遠いガガゼトから応援に来た ロンゾはかならず勝つ!

 

【ロンゾ族B】
「霊峰ガガゼトの氷雪がロンゾの心意気を育てた
「優勝はロンゾ・ファング ロンゾなら誰でも知っている

 

<2番ポート>

<戦闘:アルベドポーターA&B&C>

ティーダ
「うわっ!? なんだこいつら!?

ルールー
「アルベド族が発掘したいにしえの機械よ
「だいじょうぶ 雷の魔法で倒せるわ

<アルベドポーターA&B&Cを撃破>

<戦闘終了>

 

<3番ポート>

<戦闘:アルベドポーターA&B>

<アルベドポーターA&Bを撃破>

<戦闘終了>

 

<4番ポート>

<戦闘:アルベドポーターA&B>

<アルベドポーターA&Bを撃破→さらに2体出てくる>

<そのまま戦闘:アルベドポーターA&B>

ティーダ
「うじゃうじゃ しつこいっつうの!

<アルベドポーターA&Bを撃破>

<アルベドポーターA&Bを撃破→さらに2体出てくる>

<そのまま戦闘:アルベドポーターA&B>

<戦闘終了>

 

 

アナウンサー
「さあ ビサイド・オーラカ 必死のディフェンスによってけんめいに同点を守っています
「ああーーっと! これはまたヒドい!

解説者
「しかしレフリーはファウルをとりません  もうワッカ選手 限界ぎりぎりでしょう

 

ティーダ
「おしっ! がんばってんな

ルールー
「あまり長続きしないわ ワッカはいつもそう

ティーダ
「キツいッスね〜

ルールー
「行くわよ

 

<4番ポート>

ルールー
「乗りこむわよ

 

<ティーダ、キマリ、ルールー、アルベドの船にジャンプして潜入>

 

<戦闘:アルベドシューター>

ティーダ
「このクレーン 使えっかも!

<ティーダ、クレーンのスイッチを押す>

ティーダ
「なんだよ 動けっての!

ルールー
「動力が切れてるんじゃない?

<ルールー、“サンダー”でクレーンの動力を補給。→起動。→アルベドシューターを持ち上げ、落としてダメージを加える>

<アルベドシューターを撃破>

<戦闘終了>

<ユウナが、中から出てくる。→ルールーが駆け寄る>

ルールー
「痛めつけてやった?

ユウナ
「ちょっとだけ
「どうしたの?

ティーダ
「オレ スピラに来てすぐにアルベド族に助けてもらったんだ
「船に乗せてもらって メシも食わせてもらったし
「そん時の船かなって思ったんだけど……ちがうみたいだ
「みんな やられちまったのかな……

ルールー
「なにかあったの?

ティーダ
「船の近くな『シン』が出たんだ
「オレは助かったけど 船は どうなったかわからない

ユウナ
「あのさ……その船に シドって人 いなかった?

ティーダ
「わっかんないなあ…… 言葉も通じなかったしさ

ユウナ
「そっか……

ティーダ
「その人 知り合い?

ユウナ
「おじさんなの 会ったことはないけど……

ティーダ
「ふーん
「ってことは ユウナもアルベド族?

ユウナ
「お母さんがね そうなの
「シドさんは お母さんのお兄さん
「お母さんが結婚するときに 縁を切ったんだって
「でも 困ったときには相談しなさいってお母さんが……

ティーダ
「そりゃ心配だよなあ……

ルールー
「ユウナの生まれのことは ワッカには言わないで
「あの人 アルベド族ってだけで毛ぎらいしてるから

ティーダ
「あっ!
「ワッカに知らせなくちゃ!

ルールー
「ワッカには内緒だって言ったじゃない!

ユウナ
「試合!!

ルールー
「あ!?

 

<一方、ワッカは…>

アナウンサー
「おおっと! 残り時間30秒! オーラカ 捨て身の全員攻撃だ!
「レッティからのロングパーーース!!
「通ったぞーーー!
「おっ!!
「おおおーっ!!
「シューートォォ!!
「ゴォォォォオオオオオーールっ!!

<試合終了。→と、同時に、ワッカ気絶>

アナウンサー
「ビサイド・オーラカ 3−2で奇跡の勝利です!!

 

ティーダ
「勝ったな〜〜!

ユウナ
「やったあ! 次は決勝!!

ルールー
「勝てたからいいけど かっこつかないわね
「チャップなら 最後までちゃんとしてたのに

ティーダ
「あっれ〜? そういうこと言っていいわけ?

ルールー
「……突然 なに?

ティーダ
「オレはチャップの代わりにはなれない
「ワッカにそう言ってくれたのは ルールーだろ
「ワッカだって チャップの代わりなんか……

ルールー
「最後まで言ったら怒るわよ

 

<オーラカ控え室>

ダット
「ワッカさん だいじょうぶですか?

レッティ
「もうすぐ決勝が始まるってのに このケガじゃ……

ジャッシュ
「相手はゴワーズだし……

【ワッカ】
「えい!

<ワッカ、悔しそうにブリッツボールを投げる。→そのボールを、今来たティーダが受け取る>

ティーダ
「待たせたな

ダット
「ユウナさん!

レッティ
「ケガ ないっすか!?

ユウナ
「心配 かけちゃって……
「ごめんなさいごめんなさい ごめんなさいっ!

ワッカ
「なんだってアルベドなんかに連れていかれるんだよ

ティーダ
「もう その話はいいだろ

ワッカ
「もうアルベドとは口きくなよ  めんどうに まきこまれっからな

<ワッカ、起き上がる>

ワッカ
「もうすぐ決勝戦スタートだ ウォーミングアップしてる時間はねえ
「いけるか?

ティーダ
「余裕ッス!

ワッカ
「おっし!
「今のうちに 言っとくことがある
「決勝戦が終わったら……
「オレは……引退する
「この大会が最後だって 前から決めてたからな
「結果は関係ねえ 勝っても負けても引退だ
「でもよ……
「せっかくだから優勝してえよな〜?

オーラカ一同
「おう!

ポッツ
「オ オレ ベンチッスか?

<ワッカ、ティーダの両肩に両手をポンと乗せる>

ワッカ
「ベンチはオレだ 決勝戦はコイツにまかせる
「ここまで来たら 絶対に優勝だ! ルカ・ゴワーズをブッ飛ばす!

ティーダ
「いくぞ!!

オーラカ一同
「おう!

 

<そして…>

ルールー
「気絶してるとこ 見ちゃった

ワッカ
「チッ…… カッコつけどころだったのにな……

<ワッカ、めまいをおぼえ、倒れるところをルールーが抱き止める>

ルールー
「あんたは……あれでいいんだよね

 

<そして一方>

ティーダ
「ビサイド・オーラカの合言葉は!?

オーラカ一同
「優勝だっ!!

ボッツ
「ワッカさんのために

 

 

アナウンサー
「さあっ! いよいよクライマックス!
「まもなく もうまもなく! 決勝戦がスタートですっ!

 

 

<壁に刻まれてある言葉…>

『少年のころの思い出へ
ビサイド・オーラカ キャプテン・ワッカ』

 

 

アナウンサー
「それにしても いったい誰が!
「誰がこの組み合わせを予想したでしょうか?
「常勝ルカ・ゴワーズと 決勝戦で対決するのは……
「万年初戦敗退チーム ビサイド・オーラカ!!

解説者
「まさに驚異の大番くるわせですね

 

<観客席にアーロンの姿が>

 

アナウンサー
「おおっと!
「早くも こぜりあいだ!
「オーラカ 完全にナメられています!

 

<試合開始>

 

<オーラカが1−0でリードして、前半戦終了>

 

<オーラカ控え室>

ワッカ
「おまえら とにかくゴワーズを止めろ

オーラカ一同
「うっす!

ティーダ
「オレは?

ワッカ
「ボールをうばえ! フリーになったら とにかくシュートだ!

ダット
「ゴワーズを止めるッス!

オーラカ一同
「お〜!

ティーダ
「シュートするッス!

オーラカ一同
「お〜!

ワッカ
「うっし! 行ってこいッ!!

 

<後半戦開始>

 

<3分を過ぎたところで…>

アナウンサー
「しびれを切らしたサポーターたちのコールが ますます大きくなってきました

 

【サポーター全員】
「ワッカ! ワッカ! ワッカ! ワッカ! ワッカ! ……

 

アナウンサー
「スタジアム全体が われんばかりのワッカコールです!

 

<ティーダ、何かを考え、一人プールから出る>

アナウンサー
「ああっと!? あの選手はどうしたのでしょう?
「試合を放棄したのでしょうか? スフィアプールから出ていきます!

 

<ティーダ、ワッカを説得し、見送る>

 

そりゃ ちょっとだけさびしかったさ

でも……

 

あれはワッカとビサイド・オーラカの

大切な試合だったからな

 

 

アナウンサー
「ん? どうしたんでしょう 場内が わいています!

<ワッカ、スフィアプールに登場>

アナウンサー
「ああっと!? ワッカ選手です!! 元気に復帰してきました!!
「チームメイトが あたたかく迎えます!

 

<試合再開>

 

<試合終了>

<オーラカ、3−0でゴワーズをくだす>

 

アナウンサー
「信じられない勝利です! ブリッツボールの歴史に 新たな伝説が生まれた瞬間です!!

 

<ティーダ、すぐさまワッカに駆け寄る。→ワッカ、親指を突き立て、ティーダに小さくガッツポーズを送る。→すると、いきなりスフィアプールにモンスターが襲撃してきた>

<戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破。→さらに、増援>

<そのまま戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&Bを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破。→さらに、増援>

<そのまま戦闘:サハギンチーフA&B&C>

<サハギンチーフA&Bを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&C&Dを撃破。→さらに、増援>

<サハギンチーフA&B&Cを撃破>

<戦闘終了>

 

ルールー
「なにが始まったの!?

 

<モンスター襲来>

<逃げ惑う観客たちの中に、アーロンが待ち構えていた>

<戦闘:ヴィーヴル>

<ヴィーヴルを撃破>

<戦闘終了>

ワッカ
「アーロンさん!

ティーダ
「アーロン!
「やっぱ……知ってんのか

ワッカ
「ああ 最高のガードだ

<戦闘:ガルダ>

<ガルダを撃破>

<戦闘終了>

<アーロン、ティーダ、ワッカ、モンスターに囲まれる>

ティーダ
「なんだよ これ!?

 

<そこへ、シーモア登場。→シーモア、アニマを召喚>

<アニマ、無数のモンスターを一瞬にして粉砕する…>

 

<そして…>

ダット
「ホントに出発しちゃうんスか?

レッティ
「ゆっくり休んだ方がいいっすよ

ワッカ
「ユウナの旅は先を急ぐ
「休んでるわけには いかねえんだよ

ダット
「でも……

ワッカ
「こらあ! シャキっとしろ おまえら!
「ブリッツのシーズンは始まったばかりだろうが
「そのシケたツラはなんだ!

<ワッカ、スフィアトロフィーをダットにわたす>

ワッカ
「じゃあな 元気でやれよ
「元気でな

オーラカ一同
「うっす……

ワッカ
「声が小さい!

オーラカ一同
「うっす!

 

<街外れ>

ユウナ
「もういいの?

ワッカ
「ああいうの弱いからな オレ
「待たせたな ユウナ  モヤモヤはケリをつけてきた
「これからはユウナのガード ひとすじだ

ユウナ
「じゃあ ワッカさん あらためて……
「よろしくお願いします

ワッカ
「こちらこそ なにとぞ よろしくお願いします と
「んで あの魔物ども なんだったかわかったか?

ルールー
「ぜんぜん
「魔物がどこから入りこんだのか不明
「シーモア老師の活躍で マイカ総老師はご無事
「情報はそれぐらいね

ユウナ
「シーモア老師の召喚獣 すごかったな……

 

<そして、一方、ティーダとアーロンは…>

ティーダ
「わかってんのかよ! 全部あんたのせいなんだ!
「『シン』に飲みこまれたのも! スピラに放り出されたのも!
「ザナルカンドに帰れないのも! 全部! すべて! みんな!
「なにもかも あんたのせいだ!

【アーロン】
「フッ フフフ……
「フハハハハハハッ!
「ハハハハハッ!!

ティーダ
「あんた 何者なんだ?
「オヤジのこと……知ってんだよな

アーロン
「ああ

ティーダ
「ユウナのオヤジさんとも 知り合いなんだろ?

アーロン
「そうだな

ティーダ
「どういうことだよ! おかしいだろ!

アーロン
「なにもおかしいことはない
「ジェクト ブラスカ そして俺 3人で『シン』を倒したのが10年前
「のちに俺だけがザナルカンドへ渡り……
「おまえの成長を見守っていた
「いつの日か おまえをスピラに連れてゆくために

ティーダ
「どうしてオレなんだよ

アーロン
「ジェクトのたのみでな

ティーダ
「オヤジ 生きてるのか?

アーロン
「あの状態を『生きている』と言えるなら

ティーダ
「あぁ?

アーロン
「あいつはもう人の姿をしていない
「だが……
「あれの片隅には 確実にジェクトの意識が残っている
「あれに接触したとき おまえもジェクトを感じたはずだ

ティーダ
「まさか……

<アーロン、一定の間を置いて…>

アーロン
「そう 『シン』はジェクトだ

ティーダ
「くっだらねえ! なんだよ それ!
「バカバカしい!

アーロン
「真実を見せてやる
「怒るのも泣くのも それからにしろ
「俺について来い

ティーダ
「いやだと言ったら?

アーロン
「おまえの物語は終わらない

ティーダ
「それがどうしたってんだ!

アーロン
「そうか…… ならば仕方あるまい
「好きにしろ 来るか来ないか 選ぶのはおまえだ

ティーダ
「うっー! うわ!!
「バカにしやがって!
「好きにしろとか言ってさあ!
「選ぶのはオレだとか言ってさあ!
「だけどオレにはどうしようもないんだっての!
「あんたに言われた通りにするしかないんだ!

アーロン
「不満 だろうな  それとも不安か?
「それでいい

ティーダ
「アーロン?
「ザナルカンドに帰れるのかな

アーロン
「ジェクト次第だな
「俺はユウナのガードになる おまえもついて来い

 

<そして…>

ワッカ
「アイツ ここに来るのかな?

ルールー
「アーロンさんと知り合いなんでしょ? たしかに 知り合いと会えたわね

ユウナ
「でも……ザナルカンドに帰れるのかな

ワッカ
「どっちにしても さびしくなるな

ユウナ
「まだ 街にいるよね  わたし あいさつしてこようかな
「あっ!

ワッカ
「おお!

<アーロン、ティーダ、こちらへ来る>

ユウナ
「アーロンさんも?

アーロン
「ユウナ

ユウナ
「はいっ!

アーロン
「今この時より おまえのガードをつとめたい

ユウナ
「えっ?

ワッカ
「マジですか!?

アーロン
「不都合か

ユウナ
「いいえ!
「ね みんな いいよね?

ワッカ
「あたりまえっす  文句なんか あるわけないっす!

ルールー
「でも なぜですか?

アーロン
「ブラスカとの約束だ

ユウナ
「父が……そんなことを……
「ありがとうございます よろしくお願いします!

アーロン
「それから…… こいつを連れていく

<アーロン、不満そうにいじけているティーダを前に出す>

ティーダ
「ああっ
「……ども よろしく

アーロン
「こっちはジェクトとの約束だ

ユウナ
「ジェクトさんは お元気なんですか?

アーロン
「知らん 10年前に別れたきりだからな

ユウナ
「そう……ですか

アーロン
「そのうち会えるさ

ユウナ
「はいっ! 楽しみにしてます

アーロン
「これからの予定を説明してくれ
「次はどこの寺院だ?

 

ユウナ
「ね ちょっと来て
「見て見て!

<ユウナ、指笛を吹く>

【ティーダ】
「ああっ……
「そんだけ吹ければ上出来だな

ユウナ
「元気ないね

ティーダ
「……かもなあ

ユウナ
「叫ぶ?

ティーダ
「ん…… そういうのとはちょっとちがうかな

ユウナ
「あのさ
「自分で言うのもヘンだけど……
「召喚士とガードっていうのは スピラの希望の光 なんだよね
「いろんな人が わたしたちに注目してる
「だから 落ちこんでるところとか 元気ないところとか……
「見せたく ないんだ

ティーダ
「うん わかる……気がする

ユウナ
「はい じゃあ笑顔の練習!

ティーダ
「はあ?

ユウナ
「ほら!

【ティーダ】
「っ でっっ……っ

<ティーダ、笑顔を無理矢理作る>

ティーダ
「なんだかへんだぞ この練習!?

ユウナ
「次! 声出してみよう!

ティーダ
「ええ!?

ユウナ
「はーい やってみて

【ティーダ】
「ん……
「すーはー
「あ は は は は は は !!
「あ は は は は は は !!

ユウナ
「そこまで やらなくても……

【ティーダ】
「あ は は は は は は !!
「あ は は は は は は !!

<そこに、ユウナが加わり…>

【ティーダ&ユウナ】
「あ は は は は は は !!
「……
「ふふふっ……
「はははははははははっ!

ユウナ
「おっかしー……

ティーダ
「ユウナのせいだろ

ユウナ
「うん……ありがと

【ティーダ】
「え?

ユウナ
「笑いながら……旅 したいんだ

ティーダ
「ああ

ユウナ
「もし ダメそうなときは 指笛吹いて
「そしたらわたし……飛んでいく

ティーダ
「うん……
「じゃ 行こっか

ユウナ
「うん

<ティーダ、さっきから集中している視線に気付く>

ティーダ
「なに見てんだよ!

ワッカ
「おまえたち ヘンになったかと 心配してたんじゃねえか!

ユウナ
「だいじょうぶ!
「それでは!
「召喚士ユウナ これより 【ジョゼ寺院】めざして出発です!
「ガードのみなさん よろしくお願いします!

 

 

 

TO BE CONTINUED....


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