FF10-P.L.SCENARIO_07
シーモアとグアドサラム
-A new
"guardian" is added, all members gather.
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ワッカ
「おい!
ティーダ
「ん?
ワッカ
「見てみろ
ティーダ
「なに?
<ティーダ、水面をのぞく>
ティーダ
「あ!
「街が沈んでる!
ワッカ
「1000年以上前の機械の街だ
「河にたくさんの橋をかけて その上に街を作ったらしい
ルールー
「街の重さで橋がくずれて 河の底に沈んでしまったそうよ
ワッカ
「ま いい教訓だな
ティーダ
「教訓?
ワッカ
「ああ
「河の上に街を作るなんて なんの意味がある?
ティーダ
「うーん……水がたくさんあって便利だから とか
ワッカ
「うんにゃ ちがうな
「ただ その技術…… 力をためしたかっただけだ
ティーダ
「そうかなあ
ワッカ
「エボンの教えだ
「人は力を持つと使わずにいられない
「禁止しなくちゃ キリがないってわけだ
ティーダ
「でもさ けっこう機械使ってるだろ?
「スタジアムとか……そうだよな?
ルールー
「寺院がね 決めるの
「この機械は可 あの機械は不可……ってね
ティーダ
「はっ! どんな機械がダメなんだ?
ワッカ
「ミヘン・セッションで見ただろ? ああいう機械だ
ルールー
「また戦争が始まるからね
ティーダ
「戦争……?ん
ユウナ
「1000年以上前にね
「機械の武器をたくさん使った戦争があったんだって
ワッカ
「戦争の間も武器はどんどん強力になってな
ルールー
「街だけじゃなくて スピラそのものを……
「世界を破壊しつくす力を持つ武器も作られた
ユウナ
「このままでは スピラがなくなってしまうかもしれない
ワッカ
「それでも戦争は終らなかった
ティーダ
「ど どうなったんだ!
ユウナ
「突然 『シン』が現れて街や武器を破壊した……
ルールー
「戦争は終ったわ
「でも その代償として『シン』が残った
ワッカ
「な? 『シン』は調子に乗りすぎた人間への罪ってわけだ
ティーダ
「キツイ話っスねえ
ワッカ
「ああ キツイな
ティーダ
「でも 機械が悪いわけじゃないだろ?
ルールー
「そう 使う側の問題ね
ワッカ
「アルベドみたいのがいるから ダメなんだよな
<するとその時、シパーフ全体が揺れ動く>
【一同】
「うわっ!
シパーフ使い
「なんかへんだーぞ?
アーロン
「座っていろ!
ユウナ
「は はい!
<するとユウナの背後からアルベド人が現れ、ユウナをつかみあげる>
【ユウナ】
「ああっ!
<海の中へ逃げてしまう>
ワッカ
「アルベドだ!!
<すぐさま、ティーダ、ワッカ、海に飛び込む>
ワッカ
「ユウナ いま助ける!
<戦闘:アルベトキャプチャー>
<アルベドキャプチャーを撃破>
<戦闘終了>
<そして…>
ルールー
「ケガは……ない?
ユウナ
「うん だいじょうぶ
ティーダ
「ふう……ふう
ワッカ
「まったく……アルベドのやつらめ!
シパーフ使い
「だいじょ〜ぶかな〜?
ユウナ
「すいませんでした! もうだいじょうぶです!
アーロン
「ユウナ!
ユウナ
「あ はいっ!
シパーフ使い
「シパーフ出発進行〜〜!
ワッカ
「ちっ! アルベドめ
「なんだってんだあ?
「ルカのことと関係あんのか?
「あいつら ユウナ襲ってどーする気だ!
「あっ! 試合に負けたハラいせか!
「あっ!? ミヘン・セッション失敗のハラいせか!?
ルールー
「どうかしら
「キマリの知り合いが言ってたでしょ
「最近 召喚士が消えるって
ワッカ
「ああっ! それがアルベド族の しわざか!
「くっそう……アルベドめ……なに考えてやがる
ティーダ
「どーでもいいって
「アルベド族のことをここで話しても仕方ないだろ
「誰が相手でもユウナを守る
「それだけ考えて オレはやるッスよ
ワッカ
「そりゃあ……
「そうだけどよ……
ルールー
「……そうだね
ユウナ
「ふふっ
「(ありがとう)
<そして……到着>
<北岸シパーフ乗り場(待合所)>
キマリ
「キマリはシパーフの上で油断していた もう二度と油断しない
【住民A】
「召喚士様が いてくださるおかげで『シン』への恐怖も やわらぎますぞ
【住民B】
「グアドサラムでブラスカ様にお会いしては いかがですかな?
【住民C】
「わしが生きておるうちに ユウナ様のナギ節をお祝いしたいものですわ
ワッカ
「まだアルベドがいるかもしれんねえ 気ぃつけようぜ
ルールー
「しばらく動けそうにないわね
<広場>
アーロン
「ユウナから目をはなすなよ
<入口>
【住民D】
「ユウナ様がいらしたようですな 民の熱気がここまで伝わってきます
「大召喚士の血を引き 民にしたわれる召喚士……申しぶんありませんな
【討伐隊員】
「このまま討伐隊員として生きるか 別の道を探すか……
「異界で誰かに相談するつもりだったが それも違うように思えてな
【グアド・ガード】
「グアドサラムは すぐそこですが 途中の道には 魔物が出没します
「装備を整えてから出発なさいますよう ご忠告 申し上げます
<北岸>
<ティーダ、倒れている女性を発見>
ティーダ
「死ん……でる?
<いきなりその女性が立ち上がる>
【ティーダ】
「うわっ! おう!
<その女性、プロテクターを取り外す>
【女性】
「よっと!
<上に着ているものを脱ぎ始める>
【ティーダ】
「え?
「ええ?
【女性】
「うーん ん!
【ティーダ】
「んん?
<最後にマスクを取る>
【リュック】
「よっと〜
「死ぬかと思った……
ティーダ
「あっ!?
「リュック!? リュックだよな!
「おーおお!
「無事だったんだな! 元気だったか?
リュック
「ぜんっぜん
ティーダ
「顔色悪いな なんかあったのか?
リュック
「キミにやられたの!
ティーダ
「え?
「あ! さっきの機械! あの中にいたのか
リュック
「そっ
「もう めちゃめちゃ痛かった ヒドイよね もお……
ティーダ
「で でもさあ! そっちが襲ってきたんだろ
リュック
「ちっが〜う! ふっかい事情があるんだよ
ワッカ
「おーい!
<ワッカたちが来る>
ワッカ
「知り合いか?
ティーダ
「えっと まあ…… そんな感じ
リュック
「どーも! リュックでーす!
ティーダ
「ほら ユウナとルールーにはルカで話したよな
「ビサイドに流れつく前に オレが世話になった…… ああ……うー……
ユウナ
「あ……
ルールー
「ああ……
ワッカ
「そりゃおまえ 恩人だろ 会えてよかったよなあ
「まったく エボンのたまものだ
「で リュック?
「倒れてたみたいだけど ケガないか?
ルールー
「ワッカ ちょっと待って
ワッカ
「ん? なんだよ
ユウナ
「ちょっと……話したいんだけど
ワッカ
「おお 話せよ
リュック
「女子だけで話し合いで〜す! 男子は待っててください!
ルールー
「そうね そうしましょう
ワッカ
「ん? ああ?
<そして…>
ユウナ
「アーロンさん
「リュックを わたしのガードにしたいんですけど……
<アーロン、リュックの前へ立つ>
アーロン
「顔を上げろ
リュック
「え?
アーロン
「顔を見せろ
リュック
「あ いいよ
アーロン
「目を開けろ
「やはりな
リュック
「ダ……ダメ?
アーロン
「覚悟はいいのか
リュック
「ったりまえです!
「というわけで
「いいんだよね?
アーロン
「ユウナが望むなら
ユウナ
「わたしは ぜひ
ワッカ
「う〜ん……
ティーダ
「リュックは いい子だよ オレも世話になったし
【リュック】
「うんうん
ワッカ
「そうだな ニギヤカになっていいかもな!
リュック
「そうそう!
「じゃ あたしはニギヤカ担当ってことで!
ふしぎだった
ワッカは あんなにアルベド族が
キライなのに……
リュック
「よろしくおねがいしまーす!
リュックがアルベド族だって
気づかなかった……
<戦闘:バニップ>
リュック
「あ〜! 宝箱だ〜!
「中身なんだろ〜?
<リュック、「盗む」で宝の中身『ボムの魂』を3個手に入れる>
【リュック】
「やーり!
<リュック、攻撃を受け、オーバードライブ状態になる>
リュック
「あたし 怒るとコワイんだからね〜!
「見てな〜! いま取ったアイテムでガスっとやっちゃうよ!
<リュック、「調合」で“スモークボム”を炸裂させる>
<バニップを撃破>
ワッカ
「おまえ なにやったんだぁ!?
ティーダ
「すっげぇ威力だなあ!
リュック
「アイテム組み合わせて使うと こーいうこともできちゃうわけ
「ま テキトーにやってんだけどね
<戦闘終了>
<グアドサラム>
【老人】
「お待ちしておりました ユウナ様 ようこそ グアドサラムへ
「ささ ユウナ様 こちらへ
【ユウナ】
「えっえっ あの……
ワッカ
「なんなんだ あんた
【トワメル】
「あは はっ これは失礼 わたくしトワメル=グアドと申します
「グアドの隊長 シーモア=グアドの身内の者でございます
「シーモア様が ユウナ様に大切なお話があるそうで……
ユウナ
「わたしに ですか? どんなお話でしょう?
トワメル
「ともあれ まずは【シーモア様のお屋敷】へどうぞ
「もちろん 皆様も歓迎いたしますよ
<一行、後を着いていく>
リュック
「なーんか強引だよね〜
「あ! 忘れてた!
<装備の改造説明>
リュック
「そゆことで よろしく!
<宿屋>
シェリンダ
「あ ガードのおつとめ ごくろうさまです
「シーモア老師が久しぶりにグアドサラムにお戻りのようです
「まだまだお若いのにすごい方ですよね
「老師は【マカラーニャ寺院】の僧官長でもいらっしゃいます
「グアド族とマカラーニャの両方を管理するなんて……
「シーモア老師とお会いできればうれしいのですが・
メイチェン
「異界と幻光虫について 語ってもいいですかな?
<選択肢:「やめてください」or「異界 おねがいします」or「幻光虫 おねがいします」→「異界 おねがいします」を選択>
メイチェン
「オッホン
「異界とは 異界送りで生まれた幻光虫が集まり……
「死者が生きていたころの姿をとって現れる場所でしてな
「なんとも不思議な現象ですが 仕組みはよくわかっておらんのですわ
「アルベドの者たちは こう言いますな
「『異界を訪れた生者の想いに幻光虫が反応しているだけだ』と
「しかし異界に現れるのは死者のみ 生者の姿は出て来やせんのです
「この仕組みが わかっとりませんな
「おそらく 生者の心には死者の想いが住みついており……
「その想いが 幻光虫の力を借りて姿を見せるのではないかと……
「いやいや 証拠などありゃせんのですがな
「まあ これくらいですかな
メイチェン
「異界と幻光虫について 語ってもいいですかな?
<選択肢:「やめてください」or「異界 おねがいします」or「幻光虫 おねがいします」→「幻光虫 おねがいします」を選択>
メイチェン
「オッホン
「幻光虫と言っても 虫ではありゃせんのですわ
「魔物を倒すと現れる光 あれのことですな
「幻光虫は いろいろと不思議な現象を見せてくれます
「過去の幻影 スフィア 魔物…… すべて幻光虫のしわざですわ
「そうそう……
「召喚獣にも 幻光虫が大きく関係しとるようです
「あれは祈り子様たちの夢が 召喚士の精神を通じて……
「そう 現実の世で形になったもの そのように推理しとります
「いやいや 証拠などありゃせんのですがな
「まあ これくらいですかな
<シーモアの屋敷・エントランス>
キマリ
「キマリはシーモア老師が気に入らない
ユウナ
「し〜っ!
ユウナ
「どんなお話なのかな
リュック
「なんかさ いいニオイしない?
アーロン
「ユウナから目をはなすなよ
<ルールー、ワッカ、ティーダ、スフィアに映っている顔を見る>
ルールー
「歴代の族長ね グアド族の
ティーダ
「おんなじ顔だ……
ワッカ
「シーモア老師だけ なんか ちがうよな
ルールー
「知らなかったの?
「シーモア老師は……
「先代の族長……ジスカル老師と人間の女性との間に生まれた子よ
【ティーダ】
「はあ
ワッカ
「ど〜も落ち着かねえなあ
<すると>
トワメル
「どうぞこちらへ
<大広間>
トワメル
「シーモア様をお呼びしてまいります しばしのお待ちを
ルールー
「このグアドサラムには寺院がないでしょう?
「だからふつう 召喚士たちは通りすぎるだけなのよ
ティーダ
「へへへ……
ルールー
「なに?
ティーダ
「いや なにも聞かなくても 説明してくれるから
ルールー
「よけいなお世話……ってわけ?
ティーダ
「ちがうちがう
「オレが なにも知らないこと わかってくれたんだなって思って
「ザナルカンドから来たこと 信じてくれたのかなってさ
ルールー
「……まあね
「私には知らないことがたくさんある……
「その中のひとつに あんたのザナルカンドがある
「そう考えれば 納得できない話じゃないわ
「でも 気をつけて
「私たち以外には 言わない方がいいわね
ティーダ
「うん わかった
アーロン
「……警戒をおこたるなよ
ティーダ
「なんでぇ? エボンのエライ人の家だろ?
アーロン
「力を持つと使わずにはいられない
「……そういう輩かもしれん
ティーダ
「あんたさあ……
「エボンの教えとか 信じてないのか?
アーロン
「ふっ……
「俺もザナルカンド暮らしが長かったからな
ティーダ
「ああ
キマリ
「キマリはもう なにも言わない
リュック
「んまいよ〜 これ
ユウナ
「……ドキドキするなあ もう
ワッカ
「メシ食わせるために オレたちを呼んだわけじゃないよな
トワメル
「ふふふ……
「お客人を迎えるのは 楽しいものです
「ジスカル様が亡くなって以来 この屋敷は静かすぎました……
ユウナ
「ジスカル老師の死は スピラにとって大きな損失です
<ティーダ、ワッカに耳打ちする>
ティーダ
「ジスカル老師って そんなにすごいのか?
ワッカ
「グアド族にエボンの教えを広めたんだ
「まったく…… 惜しい方を亡くした
トワメル
「そう まことに残念です
「しかし われらには新たな指導者 シーモア様がおられる
「シーモア様はグアドとヒトの間に生まれたお方
「かならずや ふたつの種族を結ぶ絆となってくださいます
「いいえ それだけではありません
「シーモア様は……
「このスピラに生きるすべての者の未来を照らす光となるでしょうな
<すると>
シーモア
「それくらいにしておけ トワメル
「あまり持ち上げられると居心地が悪い
<シーモア、皆の前へ立つ>
シーモア
「ようこそ みなさん
ユウナ
「あの……お話って……?
シーモア
「そう結論を急がずに ごゆるりと
アーロン
「ユウナは先を急ぐ身だ 手短に済ませてもらいたい
シーモア
「失敬
「久しぶりに客人を迎えたのでつい……
「ユウナ殿 こちらへ
<周りの景色が光に包まれ、夜景を映し出す>
シーモア
「これは異界をただよう死者の念から再現した貴重なスフィア……
<とある街の上を駆け巡る>
ティーダ
「ザナルカンド!!
シーモア
「そう ザナルカンド およそ1000年前の姿です
「繁栄をきわめた機械じかけの街 ザナルカンド
「彼女はここで暮らしました
【アーロン】
「フン
ユウナ
「彼女?
<すると、ある一室が映し出され、髪の長い女性がそこに立っていた>
ユウナ
「ユウナレスカ様!
シーモア
「歴史上初めて『シン』を倒し 世界を救ったお方です
「そしてあなたは その名を受け継いでいる
ユウナ
「父が付けてくれたそうです
シーモア
「ブラスカ様は あなたに願いを託したのでしょう
「ユウナレスカ様のごとく 『シン』に立ち向かえと
【ユウナ】
「うん……
シーモア
「しかし ユウナレスカ様は おひとりで 世界を救ったのではありません
「無敵の『シン』を倒したのは……
「ふたつの心をかたく結んだ永遠に変わらぬ愛の絆
<シーモア、ユウナに囁く>
【ユウナ】
「ええっ……?? ああ えっ……
<ユウナ、赤面して、慌てて水を一杯飲み干す>
【ユウナ】
「んっ はあー……
「はあ……
リュック
「うわ! 顔 真っ赤!
ティーダ
「だいじょうぶか?
ユウナ
「うっ……
「ん……
「……結婚を申しこまれました
ティーダ
「マジッスか?
「おいっ
アーロン
「ユウナの使命を知っているはずだが
シーモア
「もちろん
「ユウナ殿の……いえ 召喚士の使命はスピラに平和と安定をもたらすこと
「しかし『シン』を倒すことだけが すべてではありますまい
「『シン』に苦しむ民の心を少しでも晴れやかに……
「それもまた 民を導く者のつとめ
「私はエボンの老師として ユウナ殿に結婚を申しこんだのです
アーロン
「スピラは劇場ではない
「ひとときの夢で観客を酔わせても現実は変わらん
シーモア
「それでも舞台に立つのが役者のつとめ
「今すぐに答える必要はありません どうか じっくり考えてください
【ユウナ】
「うっ……
アーロン
「そうさせてもらおう
シーモア
「ユウナ殿 良いお返事をお待ちしています
<アーロン、去ろうとすると>
シーモア
「なんのためにとどまっているのです?
<アーロンの表情が変わる>
シーモア
「これは失礼
「我々グアドは異界の匂いに敏感なもので
<そして…>
ルールー
「大召喚士の娘ユウナとグアドの族長シーモア……
「そのふたりがエボンの名のもと 種族の壁を超えて結婚 か
「たしかにスピラにとって 明るい話題になるわね
ワッカ
「でもよ ホントひとときの夢って感じだよな
ティーダ
「……っていうかさ 早く旅の続き行かない?
「冗談キツイッスよ
リュック
「あ やきもち?
ティーダ
「ちがうって!
「『シン』を倒すのが一番 それ以外は後回しだろ?
ワッカ
「よけいなことにまきこまれちまったよな……
ユウナ
「よけいなこと……なのかな
ティーダ
「マジッスか!
ユウナ
「わたしが結婚することでスピラ中の人たちが……
「少しでも明るい気持ちになれたら……
「そうなふうに役に立てたら…… それも素敵だなって思うんだ
「こういうことって 今まで想像したこと なかった
「だから よく考えてから 返事をしたいの
ティーダ
「マジッスか!
リュック
「結婚して旅をやめちゃうのもアリだと思うなあ
ユウナ
「旅は……続けるよ
「シーモア様も きっとわかってくれると思うな
リュック
「うん……そうだね
ユウナ
「わたし召喚士だもん
「『シン』を倒すって決めたんだから
アーロン
「ブラスカと同じようにな
それなら なにを考える
必要があるッスか!
……って叫びたかった
ユウナ
「わたし 【異界】に行ってくる
「異界で父さんに会って 考えてみるね
ルールー
「そうね 気がすむまで考えなさい
【ユウナ】
「うん
誰もユウナに聞かなかったのが
不思議だった
シーモアのこと
好きなのか? って
【グアド・ガード】
「異界は聖なる霊場ゆえ 無用の騒ぎは禁物ですぞ
<異界の門>
ティーダ
「質問ッス!
「異界のことなんだけどさ
「誰もが死んだら 召喚士が異界送りするんだろ?
「んで 死んじゃった人の魂は異界に行くんだよな?
「でさ これから行くのがその異界?
「そこにはユウナのオヤジさんがいる?
「ようするに 死んじゃった人が住んでんのか?
【ワッカ】
「うーん……
【ティーダ】
「あ……
ワッカ
「ま〜たヘンなこと 考えてんだろ?
ティーダ
「テヘヘヘ……
ワッカ
「ま 行けばわかるさ
<アーロンとリュックだけ、残る>
ティーダ
「どーして行かないんだ?
アーロン
「異界は気に食わん
ティーダ
「はっは〜ん
「怖いんだろ
アーロン
「未来の道を決めるために過去の力を借りる……
「異界とは そんな場所だ 性に合わん
「……さっさと行け
リュック
「ホントはさ 死人じゃなくて 思い出に会いに行く場所なんだよ
「会いたいって思う気持ちに幻光虫が反応するの
「でね 幻光虫が人のカタチになる よーするにマボロシってわけ
ティーダ
「ふ〜ん
リュック
「じゃあ 行ってらっしゃい
ティーダ
「おまえ 行かないのか?
リュック
「思い出は 心の中に
ティーダ
「はあ?
リュック
「思い出は優しいから 甘えちゃダメなの!
<異界>
初めて来た異界のことより
ユウナの気持ちが気になってた
ユウナの両親って
仲良さそうでさ
そんなの見たら ユウナの気持ちも
結婚する方に かたむくかも……とかさ
ワッカ
「よう チャップ
「すぐに おまえに会いに来るつもりだったけど……
「すまん!!
「これからシャキっとすっから かんべんしてくれ
「ブリッツボールも引退したし あとはガードひとすじだ
「おまえに なんとなく似てるやつが現れてな……
「そいつといっしょに旅をしてるうちに……思った
「おまえもどこかで生きてるんじゃないかってな
「でも やっぱりおまえは異界の住人なんだよな……
「はっきりわかったよ
「……なあ そっちはどうだ?
「あ さっき話したやつにな おまえの剣をやったんだ
「いいよな?
【ティーダ】
「はあ……
ルールー
「彼は死んで……私は生きている
「ここに来ると よくわかるわね
「そろそろ私も 人生前向きに考えないとね
「ふふふ……
ティーダ
「なに?
ルールー
「前向きってなによ……ってね
ティーダ
「チャップのことに こだわらないってことじゃないの?
「チャップには悪いけど 新しい誰かとつきあうとか
ルールー
「なるほど そういうのもアリね
ティーダ
「ワッカとつきあうとか
ルールー
「どうしてワッカが出てくるのよ
ティーダ
「だって 仲いいだろ?
ルールー
「仲いいのと そういうことは ぜんぜん別ね
ティーダ
「ああ……そうなの
ルールー
「そう おぼえておきなさい 少年
「女の子の気持ちをカンちがいして 恥かかないようにね
ティーダ
「……おぼえとく
ルールー
「私も忘れないようにするわ
「さよならチャップ
「いつも不思議そうだって あんたは言ってたけど……
「楽しかったよ……とてもね
ティーダ
「で どう?
ユウナ
「決めたよ
ティーダ
「そ そりゃよかった で どっち?
ユウナ
「10年前 父さんが『シン』を倒した時のこと 思い出したのね
「わたしはベベルにいたんだけど 街中が大騒ぎだった
「みんな笑っていて とっても楽しそうだった
「『シン』を倒すのが一番の明るい話題 だよね?
「あれもこれも なんて よくばっちゃダメだよね
ティーダ
「じゃ 戻る? シーモアに返事するんだろ?
ユウナ
「その前に……
「ジェクトさん……呼んでみない?
【ティーダ】
「え?
ユウナ
「だいじょうぶ きっと来ないから
思わないようにするのは
思うのと同じことなわけで……
ユウナ
「ほら 来ない!
オヤジは『シン』だから
ここには来ないってことか……
ユウナ
「きっと どこかで会えるんだよ
でも本当にオヤジが『シン』だったら……
オレは ユウナや……スピラの
人たちに なんてあやまれば……
いや どうしてオレがアイツの
代わりに あやまるんだよ……
ティーダ
「最低だな オヤジ
ユウナ
「ね どうしてそんなにキライなの?
ティーダ
「いちいち腹が立つんだよな アイツ
「アイツのせいで オレと母さんは……
<すると、ティーダの母親が目に映る>
ティーダ
「……母さん
「はは……出て来ちゃった
ユウナ
「きれいな人だね
ティーダ
「あれ?
「母さんは異界送りなんてされなかったのに……
ユウナ
「……生きてるときから 死を受け入れていたんだよ
ティーダ
「ひどいな それ オレ いたのになあ
ユウナ
「あ ごめん
ティーダ
「ん……いいんだ
「あ
「なんか オレ わかっちゃった
ユウナ
「なに?
ティーダ
「オヤジがキライな理由
<回想>
ジェクト
「な? そんでオレははっきり言ってやったんだ
【ティーダの母親】
「ほんと!?
ジェクト
「ったりまえだろ!
【ティーダの母親】
「ははっ そうだけどぉ
ティーダ
「お母さん……
【ティーダの母親】
「ちょっと待っててね
ティーダ
「オヤジがいると 母さんはオレのほうを見てくれなかった
「だからオレは オヤジがキライになっていったんだろうな
「オヤジが いなくなってからさ……
「母さんはどんどん元気がなくなって
アーロン
「具合はどうだ?
ティーダ
「あんたには関係ないだろ!
アーロン
「あの人に死なれては 俺も困るのでな
ティーダ
「母さんが死ぬって言うな!
アーロン
「……悪かった
ティーダ
「近所のおばさんが言ってた
「つがいの鳥は どっちかが死んでしまうと……
「残った一羽は あとを追うように死んでしまうって……
「ほんとに……そうなった
「オレはますますオヤジを憎んだ
「でもオヤジ 本当は……
ティーダ
「お母さん……
【ティーダの母親】
「ちょっと待っててね
ジェクト
「行ってやれよ またビースカ泣くぞ
<回想終了>
ティーダ
「なんか オレ……
ユウナ
「ん?
ティーダ
「めちゃくちゃカッコ悪いよな
ユウナ
「そんなことないよ
ティーダ
「カッコわりいいいいい!
ワッカ
「どうだ? もうちょっと考えてくか?
ユウナ
「ううん だいじょうぶ
ルールー
「あんた なんかあったの?
ティーダ
「ははははは……
<そして…>
<異界の門>
ユウナ
「お待たせしました!
「シーモア老師に返事をしに行きます
<すると>
【住民A】
「うわぁはぁ!
<死人ジスカルが、異界から出てくる>
【住民B】
「ジスカル様!?
【住民A】
「おお……ジスカル様
アーロン
「迷って……いるようだな
ユウナ
「どうして……
アーロン
「ユウナ 送ってやれ
「うぅ……! うっ!
<アーロン、苦しそうに膝を地につかせる>
ユウナ
「ジスカル様……
ルールー
「もうジスカル様じゃない 早く送ってさしあげなさい
<ユウナ、異界送りをして、死人ジスカルを消す>
【ユウナ】
「うっ……はあ……
アーロン
「話は後だ ここを出るぞ
<異界への参拝路>
ワッカ
「さっきの どういうことだ? なんでジスカル様が?
<選択肢:「わかった!」or「だまって聞いてる」→「だまって聞いてる」を選択>
ユウナ
「ジスカル様ほどのお方が 送られずに亡くなるなんて……
ルールー
「異界送り されたのかもしれないわ
「それでも……スピラにとどまった
「強い とても強い思いに縛られていたら そういうこともある……らしいわ
リュック
「反則だよねえ それ
アーロン
「まともな死に方をしなかったということだな
【グアド・ガード】
「ジスカル様の件は くれぐれも ご内密に
「不吉なうわさが広まれば スピラの平和が乱れます
ユウナ
「わたし シーモア様に会ってきますね
アーロン
「ユウナ!
「ジスカルのことはグアドの問題だ おまえが気にすることはない
<ユウナ、行く>
ティーダ
「あのさ
ルールー
「なに?
ティーダ
「ユウナの結婚のこと どう思った?
ルールー
「旅を続けるなら どちらでもよかったわ
ティーダ
「それだけ?
「ユウナがシーモアを好きかどうか とかは?
ルールー
「人はいろんな理由で結婚するわ
ティーダ
「どういう意味?
ルールー
「あの結婚には そういう感情は必要ないってこと
「『シン』を倒して スピラの人たちを幸せにしたい
「明るいニュースで スピラの人たちを幸せにしたい
「ユウナにとっては どっちも同じなのよ
「必要なのは自分の覚悟
「覚悟があれば 感情はなんとかなるでしょ?
ティーダ
「……そうかなあ
「よくわからないッス
アーロン
「ユウナが戻ったら出発する 準備は まかせたからな
ルールー
「あのね……
「私だって もし ユウナが結婚するんだったら……
ティーダ
「あ さっきの続き?
ルールー
「そう
「ユウナが結婚するなら 好きな相手と してほしいわよ
ティーダ
「だろ〜!!
ルールー
「でも……
「ユウナが 好きな相手と結婚したいって言い出したら……
「私は反対するわ
ティーダ
「は?
「言ってること ムジュンしてるッスよ
ルールー
「わかってるわよ
ティーダ
「あのさ
ルールー
「さっきの続きなら もうやめて
ティーダ
「なんで?
ルールー
「……悪かったわ 忘れてちょうだい
ティーダ
「ずるいよ……
ルールー
「理由は いつかわかる
「私は その理由を言葉にしたくない
「よけいなお世話かもしれないけど ユウナを好きになっちゃダメよ
<選択肢:「わかってる」or「好きになったもみたいだ」or「ルールーのことは?」→「ルールーのことは?」を選択>
ルールー
「そうね……
「選択肢のひとつにいれてあげてもいいわ
「せいぜいがんばりなさい 少年 道はけわしいわよ
ワッカ
「いや〜 一時はどうなることかと思ったよなあ
リュック
「ここを出たら 次は通称【雷平原】なんだよね……
「雷はやだなあ……
ルールー
「ジスカル様のこと 気になるわね……
「シーモア老師は知っているのかしら……
「グアドの問題はグアドが解決……か
シェリンダ
「あら
「召喚士様は ごいっしょではないんですか?
ティーダ
「ああ シーモアの家に行ってるんだ
シェリンダ
「シーモア老師 または シーモア様 ですね
ティーダ
「あ 気をつけます はい
シェリンダ
「それでいいです
「あ シーモア老師は 先ほどご出立されましたよ
ティーダ
「マジッスか?
シェリンダ
「【マカラーニャ寺院】へ向かわれたようです
「シーモア老師は あの寺院の僧官長でもありますから
ティーダ
「あ みんなに教えてやらなくちゃ
<シーモアの屋敷・エントランス>
ユウナ
「ジスカル様…… わたしにできること ありますか?
リュック
「ユウナ〜 いくよ〜!
ティーダ
「シーモアはマラカーニャ寺院へ行ったんだってさ
ワッカ
「マカラーニャ寺院だ
ティーダ
「そうそう
ワッカ
「……にしてもよお
「いくら老師さまでも なにも言わないで行くなんてなあ?
リュック
「こーんなに早く返事されるとき 思ってなかったんだよ
ワッカ
「あ そうだな きっと
アーロン
「ユウナ…… なにかあったのか
ユウナ
「……いいえ なにも
アーロン
「ふ……隠し事が下手だな
ユウナ
「本当になにもないんです
「さ 行きましょう!
TO BE CONTINUED....