FF10-P.L.SCENARIO_08

“権利”と“決断”
-Existence of a father changes himself little by little.

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

<雷平原・南部>

リュック
「あ〜あ…… 来ちゃったよ……

<稲光が鳴り響く>

リュック
「きゃああっ!?

ティーダ
「どうやって進むんだ ここ

ルールー
「あちこちに避雷塔が立っているわ
「雷は 避雷塔が受け止めてくれるわけね

ワッカ
「避雷塔から はなれすぎず 近づきすぎず北へ進め だな

ルールー
「なにもない広い場所は危険ってことよ

<稲光>

リュック
「きゃああ〜〜〜っ!?
「ちょ〜っとだけ グアドサラム戻る?

アーロン
「短いつきあいだったな

リュック
「あ〜…… わかったよ 行くよ!

 

メイチェン
「あや ご苦労さまです  語っても……いいですかな?

<選択肢:「また今度ね」or「どうぞ」→「どうぞ」を選択>

メイチェン
「では この街道について 語らせてもらいましょうかな
「昔々 ここは有名な旅の難所でしてな
「越すに越されぬ雷平原 行く手をはばむ稲光
「……とまあ こんな歌まで残っとるぐらいですわ
「そこへ ビリガンなる男が現れましてな
「機械をあやつり 平原中に避雷塔を建てて回ったのですわ
「旅人が 雷を避けながら進めるように ですな
「ビリガンはあの避雷塔を建てているときに……
「雷に打たれて死にました
「ビリガンはアルベド族 歴史に残らん名前ですわ……

 

シェリンダ
「あ おつかれさまです!

ティーダ
「ども!

シェリンダ
「そうそう!
「シーモア老師とユウナ様がご結婚なさると聞きました
「素敵なお話ですよねえ  早く みんなに知らせたいです!

ティーダ
「誰から聞いた?

シェリンダ
「グアド族からですよ  みんな とってもうれしそうでした

ティーダ
「それ ちょっと違うな  ユウナは断るつもりだから

シェリンダ
「えっ! 本当ですか!

<選択肢:「うん 結婚はナシ」or「冗談ッス」→「うん 結婚はナシ」を選択>

シェリンダ
「そうなんですか……
「……がっかりしました
「スピラ中が喜びと祝福にわきかえったでしょうに……

 

<稲光が近くに落ちる>

【ティーダ】
「うおっ!

【リュック】
「っっっ!!

ワッカ
「お〜! 近い近い! うははははは〜!!

ルールー
「さっさと行くわよ

ワッカ
「へいへい

リュック
「へへへへ……

ワッカ
「ん? どした?

リュック
「へへへへ……

ティーダ
「へへへへ…… ってなんだよ 気持ち悪いな

リュック
「いぃやぁぁぁ〜〜っ!?

<リュック、ティーダの足にしがみ付く>

【ティーダ】
「うわっ あっ

リュック
「やだ〜!
「もうやだ〜! 雷やだ〜!!
「そこで休んでこ! ね? ね?

アーロン
「ここの雷はやむことはない 急いで抜けた方がいい

リュック
「知ってるけどさ〜! リクツじゃないんだよ〜!

ティーダ
「はは だってさ どーする?

 

<旅行公司前>

リュック
「たのむよ〜! 休んでこうよ〜!
「雷はダメなんだよ〜! 休もうよ ね? おねがい!
「こんなにやだって 言ってるのにさあ……
「ヒドイ……ヒドイよ…… 血も涙もナイよ……
「もしかして 楽しんでるー?

アーロン
「ゆむをえん 休むぞ  うるさくてかなわん

 

<旅行公司>

ユウナ
「少し……つかれました……
「お部屋はありますか?

【店員】
「あっ 召喚士様ですね  どうぞ あちらを使ってください

ユウナ
「ありがとうございます

<ユウナ、スタスタとひとりで部屋に行く>

ワッカ
「おい ユウナ?

ルールー
「らしくないわね

 

キマリ
「ユウナは休んでいる 邪魔をするな

 

アーロン
「フン 召喚士が若い娘だと ガードするのも大変だな

 

ティーダ
「そんなにコワイのか?

リュック
「うん
「子供のころ 海で遊んでたら 魔物に襲われたんだよ
「いっしょにいたアニキが魔法で倒そうとしたけど……

<稲光が鳴る>

リュック
「きゃああ!?
「アニキったら あわててあたしに魔法をぶつけてさあ!
「サンダーの魔法で ひゃひゃひゃひゃひゃ〜!

ティーダ
「うひゃ〜……

リュック
「あの時から 雷 ダメだあ……

ルールー
「でも有効な魔法ではあるわね
「水中に現れる魔物は 魔法攻撃に弱いから

リュック
「あ! アニキもそう言ってた

ルールー
「あんたたちも おぼえたら?

<またも稲光が鳴る>

リュック
「きゃあああ!?

ルールー
「無理みたいね

<すると、リンが現れる>

リン
「これはこれは みなさん わが旅行公司にようこそ
「おや

リュック
「しーっ!

リン
「ふむ

 

リン
「アルベド語の勉強はいかがですか

<選択肢:「まあまあ」or「ダメ」→「まあまあ」を選択>

リン
「それは素晴らしい
「では さらなる進歩のためにこの本を差し上げましょう

<ティーダ、『アルベド語辞書第14巻』をもらう>

リン
「ときに……
「あの方……もしや アーロンさんでは?

<選択肢:「そうだよ」or「ちがうよ」→「そうだよ」を選択>

リン
「やはりそうですか
「ミヘン街道店でお見かけして以来 気になっていたのですよ
「アーロンさん!
「ご記憶にないでしょうか?
「あれは10年前…… ブラスカ様のナギ節のはじめです

アーロン
「ああ 世話になったな

リン
「いえいえ
「重傷を負われた方を放ってはおけません
「それにしても 翌朝あなたの姿が消えていた時はおどろかされました
「常人ならば歩けないほどの傷でしたのに

アーロン
「悪いが…その話はやめてくれ

リン
「かしこまりました

 

ルールー
「ユウナったら完全に上の空ね
「ジスカル様の件……かな
「リュックには悪いけど ユウナが落ち着いたら出発ね

 

ワッカ
「ユウナ……どうしちまったんだろうなあ?
「ま ムリにも聞けねえしな

 

リン
「先ほど シーモア老師のご一行をお見かけしました
「なんでも 老師はご結婚なさるとかで……

ティーダ
「なんであんたが知ってんだ?

リン
「グアド族が広めているのですよ

ティーダ
「勝手なやつらだなあ

 

アーロン
「めんどうな旅になりそうだ

 

<廊下>

ティーダ
「あれ?
「んっ……
「うわ!?

<ティーダ、誤って部屋のなかへ飛び出す>

【ユウナ】
「ひっ!

【ティーダ】
「いっ……!

ユウナ
「な なに!?

【ティーダ】
「あ あの……ん?

【ユウナ】
「ああっ!

<ユウナ、慌ててジスカルのスフィアを隠す>

ティーダ
「あ……あのさ 別に用事はなくってさ……

【ユウナ】
「う……

ティーダ
「あ……
「ごめん まずかった……よな
「あ! あのさあ!
「今のって グアド族のジスカルだよな?

ユウナ
「うん……
「遺言だったの 息子をよろしく……だって

ティーダ
「ふーん……
「息子って シーモアだろ?
「よろしくなんて言われても 困るよなあ?

ユウナ
「ごめんね……

<ユウナ、出ていく>

ティーダ
「あ?

<すると、ワッカが来て、ティーダの頭を掴む>

ワッカ
「な〜にしてんだ こら!

ティーダ
「うわ〜! いたっ たっ……!!
「ユウナの様子が ヘンだったからさあ!

ワッカ
「んなこたあ わかってるって
「そのうち自分で言い出すって それまで 待ってやろうぜ

ティーダ
「う〜! あ 痛い痛い痛い痛い!
「わかった! わかった! 待つから! 痛いって!!

 

<そして…>

リュック
「雷 止まらないね……

アーロン
「期待していたわけでもあるまい

<稲光が鳴る>

リュック
「きゃあ!

アーロン
「一生やっていろ

リュック
「わかったよ……
「でも!
「そんな言い方しなくたっていいじゃんよ!
「もっと こう やっさしくはげますとかさあ!
「それなら あたしだってその気になるのに!
「ぜんっぜん わかってないんだもんなー もう!
「こらぁ! 聞いてんの〜?
「負っけないぞ〜!
「ふぬぬぬぬ……
「負けるかっちゅ〜の!

 

<北部>

ユウナ
「みんな……いいかな

ワッカ
「どうした?

ユウナ
「聞いてほしいことがあるの

ルールー
「ここで?

リュック
「もーすぐ終点でしょ さくさく行っちゃおーよ

ユウナ
「いま話したいの!

アーロン
「あそこで話そう

 

イヤな予感だけは当たるんだよな

 

 

ユウナ
「わたし 結婚する

ルールー
「やっぱり……

【ティーダ】
「そうきたッスか……

リュック
「ひっ!

ワッカ
「な どうしてだ? 気い変わったのか?

ユウナ
「スピラのために…… エボンのために……
「そうするのが一番いいと思いました

アーロン
「説明になっていない

ルールー
「もしかして……
「ジスカル様のことが関係してるの?

ティーダ
「あ! あのスフィア!

アーロン
「……見せろ

ユウナ
「……できません
「まず シーモア老師と話さねばなりません
「本当に申し訳ないのですが これは……
「個人的な問題です

ワッカ
「水くせえなぁ

アーロン
「……好きにしろ

ユウナ
「すみません

アーロン
「だが今一度聞く

ユウナ
「あ 旅は やめません

アーロン
「ならば……よかろう

ティーダ
「ちょっと待てよ アーロン
「旅さえしてれば あとは どーでもいいのかよ!

アーロン
「その通りだ
「『シン』と戦う覚悟さえ捨てなければ……
「なにをしようと召喚士の自由だ
「それは召喚士の権利だ 覚悟と引きかえのな

ティーダ
「でも なんか……
「ん〜〜!

ワッカ
「ユウナ いっこだけ質問がある
「シーモア老師と話すだけじゃダメなのか?
「結婚しねえとマズイってか?

ユウナ
「……わからない
「でも 覚悟は必要なんだと思う

ワッカ
「そ そうか

リュック
「ユウナ……

<リュック、ユウナの肩に手を置く。→稲光、鳴る>

リュック
「うるさいッ!

<リュック、気を取りなおして>

リュック
「覚悟ばっかさせて……ごめんね

ユウナ
「いいの……だいじょうぶ

 

なにが『ごめんね』で

なにが『だいじょうぶ』なのか……

 

なにが『覚悟』で

なにが『権利』なのか……

 

よくわからなかった

 

みんなと 考えがはなれて

しまったような気がして

 

みんなとはなれちゃったら

オレはこのスピラで……ひとりだ

 

自分がひとりきりなのを

感じるのは つらかった

 

 

アーロン
「ともあれ ひとまずは【マカラーニャ寺院】を目指す
「ユウナはシーモアと会い 好きに話し合えばいい
「俺たちガードはその結論を待ち 以降の旅の計画を考える
「いいな

 

 

<マカラーニャの森・南部>

アーロン
「ユウナのことが気になる か

ティーダ
「はあ 気にすんなってのが無理だよ
「なにするつもりなんだ?

アーロン
「単純に考えれば……
「結婚を承諾することを材料にして……
「シーモアと交渉するつもりなんだろうな

ティーダ
「なんの交渉?

アーロン
「さあな

ティーダ
「ひとりで だいじょうぶかなあ

アーロン
「フン ……望み薄だな シーモアの方が役者が上だ

ティーダ
「わかってんならさあ なんとかしない?

アーロン
「ユウナがそれを望んでいない

ティーダ
「んああ……
「それもわからないんだよな  オレたち 信用ないのか?

アーロン
「逆だな
「皆を巻きこまぬよう ひとりで解決しようと決意している

ティーダ
「うん そんな感じだ
「でも そっちの方が心配するっつうの
「話してくれるだけでいいのにさ

アーロン
「それができん娘なのだ
「生真面目で思いこみが激しく ……甘え下手だ

ティーダ
「は よく見てんなあ

アーロン
「ユウナは わかりやすい

ティーダ
「ははは……
「たしかに

アーロン
「いつかガードの出番が来る
「その時は おまえが支えてやれ

 

リュック
「おそ〜い!

ティーダ
「わりい!

 

オレは不思議と落ち着いていた

 

ユウナの結婚は オレが想像するような

あれやこれやの結婚じゃなくて……

 

そう 旅を続けるための

ちょっとした儀式みたいなもの

 

そういうふうに考えられるように

なってたからだと思う

 

まあ なんていうか……

 

あきらめの境地ってやつ

だったのかもしれないけどさ

 

 

ティーダ
「行こっか ユウナ

 

ルチル
「ユウナ様 無事のご到着 なによりです
「それから ご婚約のこと おめでとうございます

エルマ
「シーモア老師の使いが迎えに来ているみたいですよ

ルチル
「【マカラーニャ寺院】へは あちらの道をお進みください

 

エルマ
「ユウナ様の結婚式が終るまで 寺院の警備を手伝うことにしました
「お祝いを邪魔する奴らがいたら あたしたちが退治しまっす!

 

ルチル
「最近 召喚士が行方不明になる事件が多発しているようです
「くれぐれもご注意を

 

<中央部>

バルテロ
「おーい!
「はあ はあ はあ は……
「あんたたち ドナを見かけなかったか?

ティーダ
「ドナぁ? 見てないッスよ

ワッカ
「どうしたんだ?

バルテロ
「森に入ってからはぐれちまって……
「くそっ! どこ行っちまったんだ!?

アーロン
「落ち着け

バルテロ
「でも! あいつにもしものことがあったら……

アーロン
「取り乱して無駄口たたいてても なんの解決にもならん
「今はドナの無事を信じて 全力で探すことだな

バルテロ
「でも!!

アーロン
「ガードが取り乱していたら 召喚士はどうする?

バルテロ
「はぁっ!
「そうですね……

アーロン
「手伝いが必要か?

バルテロ
「いいえ ひとりでだいじょうぶです!
「アーロンさん ありがとうございます

<バルテロ、去る。→するとリュック、飛び出す>

ワッカ
「どーした?

リュック
「あ 元気だしてって言おうと思っただけ

 

【吟遊詩人】
「虹のごとく色を変えるチョウが旅人を秘密へと いざなう……
「赤いチョウは不吉な使者…… 近づけば恐ろしい魔物を呼ぶ……
「青いチョウは幸運への道案内…… 7匹に出会えば財宝が約束される……

 

<湖への道>

オオアカ屋
「祝!
「シーモア=グアド老師ご成婚! 今なら特別記念価格おためし版!

<選択肢:「武器見せて」or「アイテム見せて」→「武器見せて」を選択>

オオアカ屋
「高いと思うか?

<選択肢:「高すぎ」or「ちょうどいい」or「安すぎ」→「高すぎ」を選択>

 

アーロン
「ちょっと待て
「たしか……このあたりだ

ティーダ
「なんスか?

アーロン
「見せたいものがある

ユウナ
「でも アーロンさん……

アーロン
「すぐにすむ

 

<スフィアの泉>

ティーダ
「ここって……
「ふつうの水じゃないのか?

アーロン
「スフィアの原料となる水だ
「人の想いを封じ とどめる力がある

<すると、湖の中から大きな液体が形となって浮上してくる>

ワッカ
「なんだぁ!?

アーロン
「想いが集まる場所は 魔物が生まれやすい

<戦闘:スフィアマナージュ>

<スフィアマナージュを撃破>

<戦闘終了>

<ティーダ、『ジェクトのスフィア』を発見>

ワッカ
「ずいぶん古いな こりゃあ中身 消えてっかもなあ

アーロン
「10年前 ジェクトが残したスフィアだ

【一同】
「ええっ!?

アーロン
「見てみろ

ティーダ
「お……おう

 

<ジェクトのスフィア1>

アーロン
「おまえ なにを撮ってるんだ!

ジェクト
「よくわからねえが 長い旅になるんだろ
「めずらしいものもたくさん見れそうだ
「となりゃ 全部スフィアに記録しといて……
「ニョウボとガキにも見せてやらねえとな

アーロン
「この旅は遊びではないんだぞ!

ジェクト
「しっかし ブラスカよお
「『シン』と戦うショーカンシ様の出発だってのに……
「これじゃあ なんだか夜逃げみたいじゃねえか

ブラスカ
「これでいいさ
「見送りが多すぎると かえって決意が にぶりかねない

ジェクト
「そんなもんかねえ……
「ま おめえが ここに帰るときには もうちょい にぎやかになるだろうさ
「『シン』を倒した英雄として ハデに凱旋パレードよ!

ブラスカ
「はっははは
「そろそろ行こう 夜が明けてしまう

 

<そして…>

ブラスカ
「アーロン もう少し寄ってくれ
「よし それでいい

ジェクト
「そんなイヤがんなよ カタブツ

アーロン
「うるさい

ジェクト
「ブラスカ おめえも うつっとけよ  ユウナちゃんへの いいみやげになるぞ

ブラスカ
「……そうだな

アーロン
「ブラスカ様……
「こんなことをしていては 時間がいくらあっても足りません!

ジェクト
「な〜にあせってんだか

アーロン
「んっ!
「この旅がどういうものだか教えてやろう!

ブラスカ
「アーロン!

<一時終了>

ティーダ
「なんだよ…… なに楽しそうにしてんだよ

リュック
「続き あるみたいだよ

<ジェクトのスフィア1(続き)>

ジェクト
「よう
「おめえが これを見てるってことは……
「オレと同じように スピラに来ちまったわけだな
「帰る方法がわからなくて びーびー泣いてるんじゃねえか
「まあ 泣きてえ気持ちもわかる  オレも人のこと言えねえよ
「だがよ いつまでもウジウジ泣いてんじゃねえぞ
「なんたって おめえはオレの息子なんだからな
「あー…… なんだ その……
「だめだ まとまりゃしねえよ
「とにかく……
「元気で暮らせや ……そんだけだ
「じゃあな

<終了>

 

ティーダ
「最後だけマシなふりしたって 説得力ねえっての

アーロン
「ふりではない
「あの時 ジェクトはすでに覚悟を決めていた

ティーダ
「覚悟?

アーロン
「ジェクトは……
「いつでもザナルカンドの家に帰ることを口にしていた
「風景をスフィアに おさめたのは 帰ってから おまえに見せるためだ
「しかし 旅を続け スピラを知り ブラスカの覚悟を知り……
「そう 前に進み続けるうちにジェクトの気持ちは変わった
「ジェクトはブラスカとともに『シン』と戦うことに決めた

ティーダ
「帰るの あきらめたってことか……

アーロン
「覚悟とは そういうものだ

 

なんとなく わかった

 

オヤジは……

 

ザナルカンドに帰る方法が

見つからないから覚悟した

 

本当は帰りたかったけど

帰れないから覚悟を決めた

 

そうしないと 前に

進めなかったんだと思う

 

それに……

 

もし帰る方法を

見つけたとしても……

 

途中で仲間と別れるなんて

できなかったと思う

 

 

ティーダ
「さーて 出発するッスよ

 

あきらめが……覚悟に

変わったような気がした

 

 

アーロン
「おい

ティーダ
「なーんスか?

アーロン
「ジェクトはおまえを愛していた

ティーダ
「んな 気持ち悪いこと言うなよ

アーロン
「しかし 愛し方がわからなかったと言っていた

ティーダ
「オヤジの話は もう いいって

アーロン
「これだけは伝えたかった

ティーダ
「そりゃ どーも
「ありがとう

 

 

<マカラーニャ湖・旅行公司前>

クラスコ
「こんにちは
「見てくれよ これ
「いっつも オレひとりが留守番なんだよなあ

<チョコボ、鳴く>

クラスコ
「あ〜 はいはい 首がカユいんだな?
「おう よかったなあ

ティーダ
「ふっはは
「よくわかるなあ

クラスコ
「ああ チョコボの気持ちがなんとな〜く伝わってくるんだよね
「もしかしたらオレ 騎兵よりもこういう方が向いてんのかな
「なあ オレ どっちの仕事が向いてるかな?

<選択肢:「チョコボ騎兵」or「チョコボ飼育係」→「チョコボ飼育係」を選択>

クラスコ
「そうか オレもそんな気がしてたけど……
「うーん こりゃちょっとマジメに考えてみるかなあ
「うーん 騎兵隊やめるかなあ
「ルチル隊長 怒るかなあ…… エルマはバカにするだろうなあ……

 

オオアカ屋
「リンの野郎 こんないい場所を独占しやがって
「婚礼のお祭り騒ぎに乗れば 大もうけ確実じゃねえか
「ん? なんだ? オレから買ってくれるのか?

<選択肢:「オオアカ屋の味方ッス!」or「また今度」→「また今度」を選択>

オオアカ屋
「なんでえ……期待させるなよ

 

<旅行公司>

アーロン
「何が起こるかわからん

ティーダ
「準備はおこたるな だろ?

アーロン
「『急いで待て』という言葉がある
「手早く準備をととのえてから 次の状況を待て ということだ

ティーダ
「その言い方 おっさんくさいぞ

アーロン
「悪かったな

ティーダ
「怒るなよ〜!

 

キマリ
「寺院はすぐそこだ なぜ止まる

 

ユウナ
「ん?

ティーダ
「ニコニコ旅すんだろ?

ユウナ
「ん……そだね…… がんばるよ

 

リュック
「早く行こ チャッチャって出発しようよ

 

ワッカ
「やっぱよう……
「こんな くら〜い気分になる結婚って ヘンだよなあ

ティーダ
「今さら やめろよ

ワッカ
「へん!
「オレはガキのころから ゆーじゅーふだんでよ!

ティーダ
「あ 開き直ってるし

ワッカ
「へへ〜ン! てなもんだ
「つうかよ 旅の中断ってどれくらいになるんだろうな?

ティーダ
「オレに聞くなよ

ワッカ
「アーロンさんが入ってから なーんか やりにくくてな

ティーダ
「あ やっぱり

ワッカ
「なんか……謎が多い人だよな

 

ルールー
「ユウナ 思いつめてるわね……
「こうやって立ち止まると いろんなこと考えてしまうわね

 

メイチェン
「ユウナ様は シーモア老師とご成婚なさるとか
「まずは おめでとうございますと申し上げておきましょう
「しかし いささか残念ですなあ
「ユウナ様なら『シン』を倒して ナギ節を招いてくださると思うたが

ティーダ
「ユウナは結婚しても旅はやめないってさ

メイチェン
「おお! それはそれは素晴らしい覚悟ですなあ

 

 

トワメル
「ユウナ様 お迎えに参上いたしました
「こんなに早くにお返事をいただけるとは……
「まったくもって予想外の出来事
「なにも告げずに留守にしたこと シーモア様になりかわり……

ユウナ
「それはいいんです
「あの ひとつ聞きたいことが

トワメル
「なんなりと

ユウナ
「わたし 結婚しても旅を続けたいんです
「シーモア老師は 許してくださるでしょうか?

トワメル
「それはもう……
「シーモア様も そのつもりでいらっしゃいます

<ユウナ、ホッとする>

ユウナ
「行ってきます

トワメル
「さて……
「グアドのしきたりがありましてな
「皆様はもう少しだけここでお待ちください
「ほどなく 迎えをよこしますゆえ

ユウナ
「あの……

アーロン
「ガードはいつでも召喚士の味方だ 好きなようにやってみろ

ユウナ
「はい!

<ユウナ、行く>

アーロン
「悪かったな
「おまえのセリフだった

ティーダ
「ユウナ!

<ティーダ、指笛を鳴らす>

ユウナ
「了解っす!

<すると>

リュック
「あ〜っ!!

<幾台ものスノーバイクが、ユウナ、トワメルを囲む>

ワッカ
「アルベド族だ!

 

<一行、素早く駆け寄る>

 

アーロン
「まかせろ

トワメル
「か かたじけない!

<ユウナ、トワメルの手を振りほどいて、パーティーに加わる>

トワメル
「ユウナ様!?

【アニキ】
リューック!!
じゃまするなら こいつがあいてだ!
マホウも ショウカンジュウもふうじこめてやるぜ!

リュック
「え〜っ!?

ティーダ
「通訳!

リュック
「魔法と召喚獣を封印しちゃうって!

【アニキ】
やっちまえ!

<戦闘:アルベトガンナー&アルベドシーラー>

<アルベトガンナーを撃破>

<戦闘終了>

トワメル
「ユウナ様!

<改めて、ユウナ、トワメルに着いていく>

【アニキ】
リューック!!
おやじに いいつけるからな!!

リュック
あたし ユウナのガードになったから!
ユウナは だいじょうぶ! みんなで まもるから だいじょうぶ!

【アニキ】
どうなっても しらねえからな!

<アルベド族、退散>

リュック
「あはははは……
「ガードになったって 言っちゃった
「うーん 仕方ないよね

ワッカ
「なんでアルベド族の言葉知ってんだ?
「なあ?

【ティーダ】
「あ うっ……と

リュック
「あたし アルベド族だから あれ あたしのアニキ

ワッカ
「……知ってたのか

【ティーダ&ルールー】
「うん……

ワッカ
「なんで だまってた

ルールー
「あんた 怒るでしょ

ワッカ
「最悪だぜ……
「反エボンのアルベド族といっしょだなんてよ

リュック
「あたしたちは エボンに反対なんかしてないよ

ワッカ
「おまえら 禁じられた機械を平気で使ってんじゃねえか!
「わかってんのか?
「『シン』が生まれたのは 人間が機械に甘えたせいだろうがよ!

リュック
「しょーこは? しょーこ見せてよ!

ワッカ
「エボンの教えだ! 教訓も たくさんある!

リュック
「答えになってな〜い!
「教え教えってさあ!
「もっと自分のアタマで考えなよ!

ワッカ
「じゃあ 教えてくれ!
「な どうして『シン』は生まれたんだ?

リュック
「それは……わからないよ

ワッカ
「けっ!
「エボンの教えをバカにして 結局それかよ

リュック
「でも!
「教えだからって なんにも考えなかったら このままだよ!
「いつまでたっても なんにも変わらないよ!

ワッカ
「変わんなくてもいいんだよ!

リュック
「『シン』が復活しつづけてもいいの
「もしかしたら それ 止められるかもしれないんだよ

ワッカ
「オレたちが罪をつぐないきれば 『シン』は復活しない

リュック
「どうやってつぐなうのさ!

ワッカ
「教えに従って暮らしていれば いつかは つぐなえるんだよ!

リュック
「なんか……ハナシにならないね

アーロン
「リュック!

【リュック】
「え?

アーロン
「これは動くのか

【リュック】
「うん!

<リュック、スノーバイクに駆け寄る>

ワッカ
「あれに乗ろうってのか?
「まさか アーロンさんもアルベドじゃないだろうな

ティーダ
「へんだよ ワッカ

ワッカ
「なにが?

ティーダ
「リュックがアルベド族だってわかったら 急に怒るなんてさ
「ここまで仲よくしてただろ!

ワッカ
「そりゃあ おまえ……

ティーダ
「オレ スピラのことはよく知らないけど……
「アルベド族が どんな人たちなのかぜんぜん知らないけど……
「リュックは いい子だと思う
「リュックはリュックだよ

ワッカ
「ルー……

ルールー
「アルベド族を知る いい機会 そう考えてみない?

ワッカ
「けっ!

<ワッカ、離れる>

アーロン
「放っておけ
「簡単には受け入れられまい

リュック
「……ごめんね

ルールー
「あんたが あやまることないわ

ティーダ
「さーて 行くッスか!

リュック
「運転できんの〜?

<すると、キマリが一人でスノーバイクに乗り込み、発進させる>

ティーダ
「キマリには負けられないッス!

 

<ここでティーダは、リュックかルールー、どちらかと一緒に乗る>

<ルールーの場合>

ルールー
「ワッカのこと……きらわないであげてね

ティーダ
「だいじょうぶだって

ルールー
「……ありがとう

ティーダ
「ルールーはリュックのこと どう思う?

ルールー
「私?
「そうね…… 見ていて あきないかな

ティーダ
「ふっ そんだけ?

ルールー
「悪い子じゃないわ それはわかる

ティーダ
「だろ〜?
「ワッカもさ それはわかってると思うんだよな

ルールー
「……うん

ティーダ
「ワッカも頭カタイよな
「エボンの教えって そんなに きびしいのか?

ルールー
「教えのせいだけじゃないわ

ティーダ
「え?

ルールー
「あいつがアルベドを きらうのは チャップのことがあったから

ティーダ
「あ 機械の武器 使ってたんだっけ
「んで……やられたんだよな
「みんな『シン』のせいか……
「……くそオヤジ

ルールー
「なに?

ティーダ
「ああ こっちの話
「あのさ
「『シン』って 誰かが変身するものなのか?

ルールー
「そんな話 聞いたことないけど…… どうして?

ティーダ
「なんとなく

ルールー
「『シン』は罰であると同時に 私たちの罪が形になったもの

ティーダ
「んあ?
「結局 わかんないってことか

ルールー
「考える必要 あんまりないから
「逃げるか 戦うか 選ぶだけで せいいっぱいよ
「あんまり深いことを考えない方がいいわ

ティーダ
「なんかさあ…… いいのか? それで

ルールー
「ふふ……
「やっぱりあんた ほんとに『シン』のない世界から来たんだね

 

<リュックの場合>

ティーダ
「バレちゃったな

リュック
「あはは……
「すっごい きらわれ方だったよね
「泣けてきちゃう……

ティーダ
「リュ リュック!?

リュック
「なんてね!
「平気平気! いちいち気にしてらんないし!
「ねえ! あたしとユウナ 似てる?

ティーダ
「え?

リュック
「オヤジの妹が ユウナのお母さんなんだよね

ティーダ
「んあ?
「あれ? じゃあ ふたりはイトコってこと!?

リュック
「そうそう

ティーダ
「そっか! だからユウナのガードになったのか

リュック
「守りたいのは ユウナだけじゃないよ

ティーダ
「へ?

リュック
「あたしたちは 召喚士みんなを守りたいんだ
「召喚士って……
「なんていうのかな……
「スピラの幸せのためのイケニエみたいに見えるんだ

ティーダ
「どゆこと?

リュック
「あ!

ティーダ
「リュック?

リュック
「なーに?

ティーダ
「イケニエって?

リュック
「……旅 つらいでしょ?
「いろんなことガマンしなくちゃ だし

ティーダ
「あ そーいうこと
「でもさ ユウナは なにもかも覚悟してんだよな
「だから オレは ちからいっぱい応援するッスよ
「リュックもガードになったんだから そうするんだろ?

リュック
「……うん

ティーダ
「イケニエなんて言ったら ユウナかわいそうッスよ

<リュック、ティーダを後ろから抱き締める>

ティーダ
「リュ リュック!?

リュック
「……がんばろうね

 

 

 

TO BE CONTINUED....


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